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09月16日-05号

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  1. 酒田市議会 2010-09-16
    09月16日-05号


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    平成22年  9月 定例会(第4回)平成22年9月16日(木曜日)午前10時0分開議        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~             出欠議員氏名      富樫幸宏議長         本多 茂副議長出席議員(28名) 1番   斎藤 周議員    2番   市原栄子議員 3番   武田恵子議員    4番   後藤 泉議員 5番   佐藤丈晴議員    6番   佐藤 猛議員 7番   梶原宗明議員    8番   阿部ひとみ議員 9番   田中 斉議員   10番   高橋正和議員11番   石黒 覚議員   12番   関井美喜男議員13番   堀 孝治議員   14番   堀 豊明議員15番   小松原 俊議員  16番   高橋一泰議員17番   田中 廣議員   18番   荒生令悦議員20番   後藤 仁議員   22番   菅原良明議員23番   村上栄三郎議員  24番   高橋千代夫議員25番   後藤孝也議員   26番   富樫幸宏議員27番   本多 茂議員   28番   門田克己議員29番   佐藤 勝議員   30番   菅井儀一議員欠席議員(2名)19番   市村浩一議員   21番   毛屋 実議員        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~             説明のため出席した者阿部寿一  市長        本間正巳  副市長阿蘇弘夫  水道事業管理者   石堂栄一  総務部長阿部雅治  総務部行政調整監兼総務課長                高橋清貴  総務部付消防調整監櫻田常夫  総務部付消防調整監 丸山 至  財務部長加藤 裕  市民部長      阿部直善  健康福祉部長齋藤 勉  健康福祉部地域医療調整監兼健康課長                伊藤一幸  建設部長齋藤克浩  建設部技監     前田茂実  農林水産部長小野直樹  商工観光部長    土井一郎  八幡総合支所長太田 豊  松山総合支所長   齋藤啓一  平田総合支所長相蘇清太郎 会計管理者兼会計課長                矢口正昭  水道部長兼工務課長高橋 修  教育委員会委員長  石川翼久  教育長兵藤芳勝  教育部長      土門修司  農業委員会会長和田邦雄  監査委員      船越重幸  選挙管理委員会委員長白崎好行  政策推進課長    渋谷 斉  政策推進課政策推進主幹吉田吉信  総務課危機管理主幹兼危機管理室長                池田成男  職員課長大石 薫  財政課長      奥山 太  契約検査課長斎藤孝夫  福祉課長      田村 亮  土木課長後藤 勉  土木課事業主幹   高橋義雄  都市計画課長本間匡志  商工港湾課長    佐々木雅彦 教育委員会管理課長岩堀慎司  学区改編推進主幹学区改編推進室長        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~             事務局職員出席者平向與志雄 事務局長      佐藤繁樹  事務局次長阿蘇久泰  議事調査主査    阿部 博  庶務主査兼庶務係長金野洋和  議事調査係長    齋藤浩二  議事調査係調整主任池田邦臣  議事調査係主任   檜山るみ子 庶務係主任佐藤専一  庶務係技能主任        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~             議事日程議事日程第5号 平成22年9月16日(木)午前10時開議第1.一般質問        -----------------------------             本日の会議に付した事件(議事日程のとおり)        ----------------------------- ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △開議 ○富樫幸宏議長 おはようございます。 再開いたします。 本日の出席通告者は、19番、市村浩一議員、21番、毛屋実議員であります。 定足数に達しておりますので、直ちに本日の会議を開きます。 本日は、お手元に配付いたしております議事日程第5号によって議事を進めます。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △一般質問 ○富樫幸宏議長 日程第1、一般質問を行います。 順次質問を許します。 ----------------------- △関井美喜男議員質問 ○富樫幸宏議長 12番、関井美喜男議員。 (12番 関井美喜男議員 登壇) ◆12番(関井美喜男議員) おはようございます。 それでは、私のほうからも、通告の順に従いまして質問をさせていただきます。 まず、項目の1番目、駅前周辺再整備計画についてであります。 駅前周辺の再整備につきましての質問は、何回目になるでしょうか。私は平成15年4月に初当選させていただいて以来、再三にわたって鉄道高速化の視点やジャスコ跡地の利活用、あるいはまちづくりや観光の観点からも、この問題について議論を重ねてきたと思っております。そして、今年3月定例会の予算委員会や一般質問でも、駅周辺再開発の全体計画について、各種調査結果をもとに今年8月末までにお示しいただくことを確認し、約束させていただいたと認識いたしております。 そして、それは約束の8月末は若干過ぎてしまいましたが、去る9月2日の酒田駅周辺開発特別委員会で説明され、資料を拝見したところであります。私もこの特別委員会を傍聴させていただき説明も伺いましたが、はっきり申し上げて、愕然としてしまい、これが期待し待ち焦がれていた計画なのかと、驚きというよりはがっかりしてしまったというのが率直な感想であります。皆様御承知のとおり、このたび示されました計画は、駅周辺全体計画からほど遠く、駅前広場のみの整備構想であり、お約束いただいた内容とはとても呼べるものではありませんし、3月議会での答弁は何だったのか、極めて遺憾であります。 私は、駅舎本体、駅前広場、ジャスコ跡地、羽越本線を挟む東西道路、一刻も早く駅周辺全体の整備計画構想を示し、地域の皆様を初め、関係箇所との交渉や酒田市としての姿勢を御理解いただくためにも、全体構想は不可欠であると申し上げてまいりました。これまで一貫して訴え続けてまいりましたことや、過去の議論も踏まえた上、このたび示されました駅前広場整備構想も含め、以下4点について質問させていただきます。 まず1点目は、駅前広場整備構想案についてであります。 先ほど来申し上げておりますように、このたびの特別委員会で示されたものは、駅前広場に限定した構想であり、特別委員会の説明の中でも、まずはできる箇所から進めていきたいという方針のようであります。 しかし、駅舎本体の改築の方向性によっては、駅前広場のレイアウトも大きく異なるはずであり、具体的に申し上げれば、橋上駅舎の方針であれば、ロータリーや駐車場、タクシープール、駐輪場などの配置はおのずと異なってしまうということであります。 繰り返しになりますが、地域住民の皆様やJRとの協議においても、まずは駅舎を含む駅周辺全体の構想があって、その将来構想をしっかりと描いた上で部分的な計画を進めていくというのが、手戻りがなく無駄な投資を抑えることにもつながると考えます。まずは、こうした考えに基づいた全体構想の必要性をどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。 加えまして、ジャスコ跡地の再開発事業とはどのように連携されてきたのか、そしてバスターミナルを駅前広場に変更した経緯についても、簡潔にお答えいただきたいと思います。 次に、2点目として、先ほども触れておりますが、駅舎本体の改築の方向性についてであります。 前段の駅前広場整備構想案については、部分的な構想として一たんお聞きいたしましたが、この構想が示されたことによって、駅舎の改築の方向はなくなってしまったかのような印象を与えるのではないかという懸念も出てまいります。当然、財政的な計画も必要であり、何よりもJRとの協議が調わない限り、酒田市が勝手に駅舎を建てかえることはできません。我が会派での先進地視察やJRとの意見交換会などの調査によれば、まずは行政側の都市計画に基づいた構想が基本となって、そこからスタートしなければ何も始まらないというのは明らかであります。 そこで改めて伺いますが、酒田市として、酒田駅改築の方向性があるのか、しっかりと明言いただきたいと思います。 次に、3点目として、東西を結ぶ地下道路についてであります。 この羽越本線を挟む東西道路についても、駅周辺全体構想においては大きなウエートを占める事業だと考えます。現状、歩行者専用の地下道はあるものの、車両は駅舎の南北の踏み切りか、浜田、あるいは泉陸橋を利用するしかありません。道路計画においては、交通量はもちろんのこと、まちづくりの視点や経済動向の観点、さらにはライフスタイルの変化など、さまざまな要因を分析した上で検討されるものであると認識しておりますが、この東西を結ぶ道路についても、当初の構想の中で検討された経過も踏まえ、全体構想の中でしっかりと位置づけていく必要があると考えますが、この方向性についてもお伺いしたいと思います。 次に、4点目として、今回示されました駅前広場整備構想案の工程と進め方についてであります。 前段質問いたしましたように、これだけで駅前周辺整備構想が終わりだなどと誤解されるおそれや、駅舎本体の改築などの方向が示されないままでの推進は極めて厳しいと思いますが、一定の構想は打ち出したわけでありますので、その具体的な年度展開を含めた工程や、各種団体との協議の進め方についても確認しておきたいと思います。当然、必要な財源の見通しも含めまして、現段階のお考えをお伺いいたします。 次に、項目の2番目として、酒田港の重点港湾指定に伴う、さらなる港の振興策についてであります。 この件につきましては、先般3月定例会で質問させていただき、その後、各界、各層、多くの皆様の懸命な御努力によりまして、重点港湾の指定をいただき、ほっとしているところではあります。 しかし、見方を変えれば、ようやくスタートラインに立つことができたともいえるわけでありまして、よかった、よかったと安易に喜んではいられないと私は思います。当然皆様も御承知のとおり、単純に数値的な客観データからすれば、従来の重要港湾の順位を見て、極めて厳しい順位でありましたし、まさにこれからが勝負であり、正念場であると認識を新たにしなければならないと思っております。こうした観点で、さらなる港湾振興に向け、以下3点についてお尋ねいたしたいと思います。 まず1点目は、このたびの重点港湾指定をどう受けとめているかという点であります。 私の認識は前段で述べたとおりでありますが、酒田市として、今回の重点港湾指定をどのように受けとめているのか、まずはその認識を伺いたいと思います。 次に、2点目は、県、各種団体との連携強化についてであります。 このたびの指定に伴う要望活動の中でも、その重要性は十分感じていただいていると思いますが、港湾管理者である県、そして港を利用する民間会社を初めとする各種団体との連携した対応は、港湾振興を図るためには極めて重要であると考えます。行政だけが一生懸命でもだめでありますし、民間企業だけが頑張っても限界があります。そこで、今後の港湾振興に資するための対応として、港湾振興会を初めとする各種団体との組織強化を含め、当局としてどのように考えていらっしゃるのか、所見を伺いたいと思います。 最後、3点目として、高速交通網整備と一体的な振興策についてであります。 港の振興を考える場合、少し角度を変えた視点でお尋ねしたいと思いますが、単純な言い方で恐縮ですが、幾ら港が立派でも、そこからの交通アクセスや陸送の交通網が整備されなければ、厳しい競争には勝てないということであります。加えて申し上げれば、対岸貿易も見据えた港の振興策を掲げるのであれば、なおのことであります。もちろん、酒田市だけが訴えて鉄道の高速化や高速道路の整備が進むものではありませんが、こうした高速交通網の整備と一体的に港の振興策を考えるべきだというふうに思うのであります。 こうした観点で、酒田市としてできること、やらなければならないことはあると思いますが、いかがお考えでしょうか。実効性のある具体的な行動についてお答えいただきたいと思います。 以上、大きな項目として2点御質問申し上げ、1回目の質問を終わります。 (阿部寿一市長 登壇) ◎阿部寿一市長 関井議員の御質問にお答え申し上げます。 駅前周辺の整備について何点かお尋ねがありましたが、まず駅周辺に係る全体構想、その必要性と、そしてこのたびの提案、計画についてのお尋ねがございました。 もちろん、いろいろな整備、特にこういうような面的整備を進めるというときには、全体を見渡した、そしてまた年度についても中長期から短期までというような形で、総合的な計画、全体構想の必要性、十分理解しております。 議員から御指摘いただくような、また議員が意図するような構想ではないかもしれませんが、酒田市では、この駅周辺について、どのような方向で整備をするかということについては、平成13年度に経済界とか市民代表等々からなります酒田駅前整備検討懇談会、ここで基本的な案をつくり、そしてまた平成19年度に見直しをして、基本的なゾーニングをしているところであります。この中には、駅前広場とか駅東のほうをどうするか、ジャスコ跡地、東西の連絡とか、パークアンドライドとか、さまざまなことについてまとめているわけであります。また、先ごろの地域の公共交通網の整備においても、さまざまな調査をしたりもしております。 このたびの考え方、提案した案については、このような考え方を踏まえて、まず有利な財源が使える、具体的には合併特例債などが使える期間なども考慮して、できるところからまずやるというような思いで、現実的な、すぐにでも取りかかれるような案として整理したものでございます。 この案をつくるに当たって、まず一つでありますが、駅前広場については、基本的には今の課題としては、バスが入れない、初めて酒田市を訪れた方なんかについては、駅を降りたときに、どこにバス停があるのかわからないというような指摘もされているわけでありまして、交通の結節点としての駅の機能を十分発揮させるためにも、やはりバスというものを駅前ロータリーに乗り入れるということができなければならないというふうに考えておりました。 このようなスペースが現在の駅舎などの配置からして困難であるということであれば、JRに対して、まずはこういうことをしたいから駅舎を何とか、土地を確保するためにもというような話をしていくことになろうかと思いますが、今の案でごらんいただければわかるとおり、それが十分かどうかの議論はいろいろあるかもしれませんが、基本的に、バスも乗り入れ、タクシープールもつくれ、また送迎の車も乗り入れられる、また、少し潤いのスペースなどもつくれるという案に整理させていただいております。 また、後ほどの答弁にも関係するのでありますが、東西連絡機能の強化ということについても、決して今提案した案で十分というわけではないかもしれませんが、まずは現在の交通量なども含めて考えれば、現在の地下通路を少しリニューアルするというようなことでも、当面は対応できるのではないかというようなことでまとめをさせていただいているものであります。 あくまでも、手戻りがないような形で、もちろん、駅舎の関係がどうなるかによって手戻りもあるんじゃないかという御指摘も十分よく理解できますが、今直ちに取りかかって、市民の皆さんの期待、そしてまたJRとバスの連絡改善、そういうものに資するような構想として、まず取りかかるというものでまとめたものでございます。決して、ここの部分的なものをやって終わりというのではなくて、全体構想を見ながら、まず手がけていけるところから手がけるというような考え方を示させていただいたものであります。 その際、ジャスコの跡地開発、これについても、当然、同時期に開発行為が起きていく、同時進行していくということになるというふうに思います。したがいまして、同じような施設を両方につくるということも必要ないわけでありますし、そして同じようににぎわいを創設していくというような事業であろうというふうに思います。十分連携を取りながら、私たちがこの事業についても十分な支援をするというようなことでありますので、十分連携を取りながら、相乗効果が上がるような形で事業を進めていきたいというふうに思っております。 それから、バスターミナルについて、かつてジャスコ跡地のほうで整備したらどうかというような考え方を持っておりました。しかし、先ほど来申し上げているように、やはり鉄道とバスの乗り継ぎの利便性というようなことを考えれば、駅前広場にバスターミナルを置くほうが、市民にとっても、そしてまた観光客などにとっても、十分利便性が上がるわけであります。そういうことで、こちらのほうに動かすほうがいいのではないかということで、ジャスコ跡地の開発関係者とも調整をしているところであります。 また、このことについては、昨年度に策定した庄内地区の地域公共交通総合連携計画の中でも、この鉄道とバスの乗り継ぎ環境の改善の必要性について指摘されておりますので、駅周辺の皆さんからもこのような要望がありましたので、こういうような形で変更することのほうが市民の期待に沿うものだというふうに考えておりますので、御理解いただきたいというふうに思います。 それから、次に、駅舎の関係についてのお尋ねがございました。 もちろん、駅舎はJRのものでございますので、JRの判断を十分尊重していかなければなりません。やはり、そうは言っても、私たちの目から見ても老朽化が進んでおり、何らかの対応が必要な施設なのだろうというふうに思います。そしてまた市の側から見ても、駅舎というのは町の顔になりますので、もしJRのほうでの整備構想等があれば、しっかり支援していかなければならないと思っております。 そのような観点から、引き続きJRの皆さんと改築の方向性について議論はもちろんしていきたいし、そういうふうなときに、JRのほうからの提案も受けて、私たちもできることはやりますし、また私たちが支援できるところは十分支援していくということにしたいというふうに思っております。 ただ、このことについて、まずこれがなければ前に進まないというのではなくて、駅前バスターミナル云々の話も、駅前広場の話も少し時間がかかってしまうわけでありますので、まずここについて必要性を否定したわけでも何でもありません。ただ、今のところ、例えば橋上駅舎にして駅前の土地を確保しなければ駅前ロータリーも確保できないというような状況でないわけですので、まずは、引き続き協議は進めますが、このたびの構想からは一応除いているということになっているわけであります。 それから、東西連絡道路の必要性についても、決して否定するものではありません。鉄道軌道の真下を相当の距離通る道路になりますので、その技術的な問題があります。それから、地下にするか橋にするかによって、いろいろな設計のこともあると思いますが、いずれにせよ、駅前と駅東のほうで既存の道路に接続するときの交差点形状の処理の問題なども出てきます。 それから、もう一つは、やはりビー・バイ・シーといいますか、交通量と投資経費との関係もやはり慎重に検討しなければならない課題だと思います。もちろん、あればいい道路であることは間違いないと思いますが、それには、橋にしてもトンネルにしても、相当の経費がかかることは間違いないわけでありますので、これはビー・バイ・シーということをしっかり置きながら、引き続き、車が通れるような形でというのであれば、新たに掘り直すなり、かけなければなりませんので、新たな形での投資が相当出てきますので、技術的な問題について引き続き検討し、またJRとも相談させていただき、そしてさらには、ビー・バイ・シーといいますか、そういうものについてもより具体的な検討を進めたいというふうに思っております。 それから、決して東西連絡通路も現状のままで十分のようですというのではなくて、少しまだ検討する余地はあると思いますが、この8月末までの検討には少し間に合わなかったということだと理解していただきたいというふうに思います。 それから、駅前広場の今後の工程と進め方というようなお話がありました。 先ほども申し上げました、なぜこの駅前広場という構想を急ぐのかということになりますが、まず、今、市単独とは言いませんが、JRや県などの理解も得ながら、市で積極的に動ける部分、そして実現可能な部分を急ぎたい、それは、まちづくり交付金でありますとか合併特例債などの財源が、使える時期をやはり有効に活用していかなければならないというふうに思っております。今回の案をベースにしながら、まずは、ただいま申し上げたような関係者との協議を行い、具体的な計画として早急にまとめていきたいものだというふうに思っております。 さらには、議員から御指摘があった駅舎とか東西連絡道路などの関係、そしてまたジャスコ跡地開発事業者との調整、このようなことについても、同時並行で整理していきたいと思っております。 財源についての御心配もありましたが、今申し上げたような財源が使え、そしてこのような、現在お示ししているような構想であれば、財源的には十分たえ得るものでありますし、またこれにどの程度つけ加えられるかということについても、またさらに検討を、先ほど申し上げた駅舎とか東西連絡通路などの構想の具体化の中で、どの程度の財政負担までたえられるかということについては、あわせて議論していきたいというふうに思っております。 以上であります。 (小野直樹商工観光部長 登壇) ◎小野直樹商工観光部長 酒田港の重点港湾指定に伴う質問に対しまして、お答え申し上げます。 まず最初に、重点港湾指定をどう受けとめているのかという御質問でございました。 国土交通省と国の関係機関に対して幾度となく訴えてきました、山形県唯一の重要港湾、それから地域の拠点性、今後の伸びしろ、港湾運営の民営化への取り組みといった、酒田港の重要性と同時に地元の熱意が認められたものと思ってございまして、重点港湾に指定されまして、当面の課題はクリアいたしましたが、今後、新直轄事業の着手には、取り扱い貨物のさらなる増大が必要条件であることから、重点港湾への選定は一通過点であると考えております。 また、今後、重点港湾の入れかえの可能性がないともいえませんので、これまで訴えてきたことの実現、また酒田港のさらなる利活用拡大に向けまして、関係者一丸となりまして、気を引き締めて取り組んでいく必要があると思っておるところでございます。 次に、県とか各種団体との連携強化はということでございます。 港湾振興に関しましては、さまざまな団体が存在してございまして、官民連携しながら活動を実施しております。今後、さらなる連携強化に向けまして、市としても常に情報を発信しながら、港が置かれている今の状況、これらを理解していただきながら、組織の構成員それぞれが認識を高めながら、重点港湾要望で築き上げた関係、それから各団体とのきずなを太く強化しながら、一丸となって酒田港の振興に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、高速交通網整備と一体的な港湾振興策をということでございますが、酒田港にとって、やはり港に接続する道路、それから鉄道との一体的な整備をすることは、物や人が動きやすくなりまして、酒田港の振興にとって必要不可欠である、とても重要であると考えてございます。 本市の重要事業要望におきましても、鉄道の高速化、日沿道の整備促進、それから地域高規格道路の新庄酒田道路の整備促進、それから酒田港の機能強化というようなことについて、国・県、関係先に、これも官民一体となりまして、その必要性、重要性について訴えているところでございます。今後も、それぞれの必要性、重要性はもとより、物流拠点港酒田港へとつながる物流ネットワークを含めた、一体的整備促進を訴えてまいりたいと考えておるところでございます。 以上でございます。 ◆12番(関井美喜男議員) まず、駅前の関係から申し上げますと、単に間に合わなかったという御答弁のようでありますが、時間がもったいないんですけれども、あえて3月定例会の市長の答弁をここで朗読させていただきます。 会議録200ページになりますが、「それから、全体構想を示す時期でありますが、私は年度内に示せると思っておりましたが、さきの予算特別委員会でも担当の課長のほうから言っておりましたけれども、8月を目標にしているということであります。確約できるかということで、私は確約したいというふうに思っておりますけれども、作業がそうなるようにしっかり努力させたいと思います」。市長答弁であります。これに対するこの約束違反はどう説明されるんですか。もう一度御答弁いただきたいというふうに思います。 あのとき市長は、8月までにしっかりとした全体構想を示すように頑張ると、こう私に答弁したわけです。ですから、これは全体構想じゃありませんよね。これは全体構想じゃない。駅前周辺全体のうちの一部です。ということで、再度御答弁をいただきたいというふうに思います。全体構想は必要だというふうに今も御答弁をいただきました。なぜ示さないんですか、それを。まだ検討時間が必要なんですか。何がネックですか。はっきりわかるように。 皆さん期待しているんです、やはり。駅前周辺、ジャスコ跡地も民間で今やっているということも皆さん情報を知っていますし、今度は駅前広場のやつもニュースになりましたし、駅周辺やはり変わるんだろうなと、期待を持っていらっしゃるわけです。そういう中で、こういう小出しにされて、理解してくれと。これはなかなか厳しいと思います。これは何べんも私申し上げたと思うんですけれども、全体構想があって、地域のコンセンサスをいただいた中で、できるところからやっていきたいんだと、こうであればやはり理解できると思うんです。ここの考え方がちょっと違うのかなというふうに私は感じます。 財源の関係でちょっと具体的にお話しいただきましたので、あえてお聞きしますが、今回示されました駅前広場の整備構想案、この事業だけは合併特例債とまちづくり交付金と両方使えるんですか。これ、ちょっと確認させてください。御答弁いただきたいというふうに思います。今のところ、大まかで結構ですが、幾らを予定しているんですかね。幾らぐらいかかるかという見込みは当然あるというふうに思うんです。私が勉強不足なのは承知しておりますが、合併特例債がこれに使えるのかなとちょっと疑問な点もございます。ここは両方使えるのかどうか、はっきりと再度お答えいただきたいというふうに思います。 それから、港の関係です。 きのうも前者、答弁がございましたので、いろいろダブる部分もあったかというふうに思いますが、認識は余り変わっていないというふうに思います。これでよかったなどとは決して思わないでいただきたいというのは私の強い思いでありますし、皆さんもそうだというふうに思います。スタートラインについただけであります。ここからが問題でありますので、今までどおりでいいなどということには決してならない。あえて、きのうもいろんな具体的な、対岸貿易を含めて、答弁、議論がございました。ということでは、いろんなところと連携しなければ、酒田市単独でも何ともならないというのも重々私も承知しておりますので、連携強化にはさらに意を用いていただきたいということで、これは強く要請させていただきます。 一つだけ、この港の関係で毎回話になるんでありますが、例のやはり自動車の関係、宮城県のほうに進出している自動車関係、一部の方なのかもしれませんが、いや、酒田の港から出せるんだと、こういう話をまだいまだにまことしやかにささやく方がいっぱいいらっしゃるんでありますが、この見通しについてどうなんですか。ないならないとはっきり私は言ったほうがいいと思うんです。今はないということは、しっかり言うべきだというふうに私は思います。ここもしっかりと、御答弁、見通しを伺いたいというふうに思います。 2問目、終わります。 ◎石堂栄一総務部長 ことし3月の市長の答弁、どうなのかというお話でございました。 私どもも、先ほど、平成19年に一度、全体構想をお示ししてございます。基本的にはそこでございます。これは、その構想のときに示した案というのは、一つは駅前広場の整備、それから橋上駅舎、それから駅東側の整備、それから東西をつなぐ道路については、駅の下になるのか、周辺の踏み切りの改良をするのか、それからジャスコの周辺と。こんなことで、一度、平成19年7月に全体の酒田市の基本的な考え方としてはお示ししているところでございます。 そういった中で、私どもとしては、より現実的に具体性のある計画を、きちっとした形で実現性のあるものを示していきたいと、このように思っているところでございます。 こういった中で、まずは駅前の広場の今回整備の計画を申し上げました。先ほど市長が御答弁しましたとおり、駅と、それから駅東側を結ぶ手法、これについては、JR、そういった関係機関とも協議を一部進めながら、非常に課題が多いのでございます。そういった中で、きちっとした形である程度見えたところで、この辺についてお示ししていきたいなというふうに思っているところでございます。 それから、財源のお話もありましたけれども、財源はまち交、それから、交付金を充当した後に合併特例債の対象になります。ですから、両方使えると。補助残が、まち交の交付金の残り、一般財源の負担の部分に合併特例債が対象になるということでございます。 それから、幾らかかるのかということでありますが、これは、御承知のとおり、現在の駐輪場、あそこの用地については、酒田市の開発公社が先行取得している土地でございます。したがって、そういった土地の再取得経費、こういったものを含めますと、5億円から6億円の中ほどぐらいなのかなと、これはあくまでも概算でありますので、これから詳細な設計になった時点でまた変わる可能性がありますが、そういった事業費を見込んでいるところでございます。 ◎小野直樹商工観光部長 自動車の輸送についての見通しはということでございました。 東北への自動車関連産業が進出をしまして、それに伴いまして、平成20年12月に山形県では山形県自動車物流活性化戦略というものを策定しまして、それの実現に向けて、地元の熱意をアピールしながら、今まで県と一緒に取り組んできたところでございます。鉄道の輸送の可能性ということで、昨年度と今年度、県では調査を行っておりまして、実はまだその結果につきましては報告は公表されておらないところでございます。 ロシア等につきましては、確かに関税が高く、80%以上ということで、なかなか完成車の輸送は厳しいものがあろうかと思います。しかし、酒田港にはローロー船の整備の計画もございます。対外的には厳しいかもしれませんが、国内での輸送がまだあります。閉ざされたわけではございません。そういう可能性もありますので、鉄道、それからそういうものにつきましても、これからまだ取り組んではいかなければいけないと思っておるところでございます。 ◎阿部寿一市長 私のほうからも少し追加して答弁させていただきますが、議員も、平成13年に策定し、平成19年に見直した構想が一つベースになっているということは、御理解いただけると思います。 議員がおっしゃる全体構想というのは、じゃ、その基本構想の中で位置づけられたもの、それぞれこういうふうにやりますという方針について、全部について、例えば議員の御指摘にあったのは、駅前広場のみならず、駅舎をどうするんだとか、東西連絡通路についてはどういう結論を出すのかということも含めて、また再度具体的に位置づけたものを出しなさいということだったと思います。そのように努力させていただきました。 しかし、現実的に、さっきもずっと答弁申し上げておりますが、東西連絡道路についても技術的な課題を十分まだクリアできていないし、またJRとの協議も十分だとはちょっといえません。そういうようなことから、今回間に合わなかったというのは現実でございます。そういう意味ではおわびを申し上げなければならないと思いますが、ネックというのは、別に、もう少し時間的な余裕が、時間的にかかるということでありまして、経費的なネックというのは、これからビー・バイ・シーをやってみなければならないし、概算事業費をはじかなければ、それがネックになるということにならないわけでありますので、基本的にそういうような形、もう少し検討の時間をちょうだいしたいということだと御理解いただきたいと思います。 それをやっていますと、先ほど申し上げたように、まち交とか合併特例債の期限が来るということもあるもんですから、できるところからまずお示しして、動いているんだよということも市民の皆さんにお伝えしたいというような思いで示させていただいたわけでございます。さっき申し上げたように、全体構想の必要性も否定するものではありませんし、駅舎や車が通れるような駅東西通路、そのことの検討もやめたわけではありませんので、もう少し時間をちょうだいしたいということで御理解をいただきたいと思います。 ◆12番(関井美喜男議員) 一定理解はさせていただきます。素直に最初からそういう答弁をいただければよかったのかなというふうにも思いますが、全体構想があるんだみたいな答弁だと、それは私はないと言わざるを得ない。私が申し上げている全体構想の認識、市長は正しく御理解いただけるものと、今の答弁を聞いてそう思いますが、逆にこちらもそう御理解いただきたいというふうに思います。 私の勉強不足もあって、今お話しのあった財源の関係は、合併特例債もまち交のほうも両方使えると、こういうことでありましたので、少し安心いたしたところでございます。 ただ、くどいようですけれども、私が言う全体構想を示さないで、地域の方々とかJRと協議するとなったら、これは大変だというふうに思います。もう少し時間をくれということでありますから、これはいつまでですかね。少し期限を区切って、しっかり進めていただきたいという思いも込めて、再度御答弁いただきたいというふうに思います。 私の単純な予想ですが、これだけを持ってJRに行ったら、あきれられますよ。酒田の計画はこんなものかと。これでは何ともならないと思います。ですから、先ほど申し上げましたように、進め方として、基本的にはやはり酒田市の全体構想があって、それをもとに、まず手をつけられるのはここだということで協議に向かうんなら、それは相手も話に乗るでしょう。何もなくて、これだけぼんと持っていって、さあ、駅前をこうしますなんて言っても、これは乗ってきません。ですから、そういう意味で、進め方を少し考えを変えていただかないとだめかなというふうに思っています。私が申し上げる全体構想をいつまで仕上げる御予定なのか、再度御答弁いただきたいというふうに思います。 あとちょっと細いことになるんですが、ジャスコ跡地は今民間開発やっていますが、これとの手戻りを少し私は心配しております。当初予定で私どもがお示しいただいた内容ですと、バスターミナルをつくるために真ん中に路盤工事、もう既に終わっているはずであります。これは手戻りになりませんか。工事に支障にならないんですか。 逆に、民間の皆さんと連携しているという答弁でございましたけれども、これはいつ民間に伝えていますか。これはまとまったのが私どもが拝見したのは9月2日の日付の資料であります。どの段階で民間とうまく連携して、実はバスターミナルは、皆さんの要望とか今までの調査結果を含めて、駅前のほうに移す計画で、レイアウトしてみたら入るから、当面、こっちの酒田市としては駅前にバスターミナルを置くように変更したいんだという意思表示はいつされたのか。ここはちょっとお答えいただきたいなというふうに思いますし、路盤工事施工してある内容が手戻りにならないのか、これもちょっと技術的な細い話になりますが、お答えいただきたいというふうに思います。 あと、先ほど1問目で申し上げましたように、駅舎本体の方向性が定まらないと、やはりこの計画自体が私はちょっと危ういんじゃないかなという思いを強くしております。たまたまという言い方は失礼ですね、レイアウトしてみたらバスターミナルも入るし、タクシープールも入るし、一般の方々がお迎えに出る部分は駅の裏のほうに駐車場を整備すれば何とかなるという、こういう構想でありますから、それはそれとして、駅舎がここから動くとなると、相当やはりまたがらっと中身が変わってくるんだというふうに思うんですが、ですからやはり一般の方々は、期待している皆さんはどう思うかというと、駅舎は当面手がつかないのかなと、こういう思いにかられるんだというふうに思うんです。 ですから、市長ははっきり駅舎をあきらめたわけではない、東西道路をあきらめたわけではない、検討中なんだと、こういうはっきりした御答弁をいただきましたので一安心はしましたけれども、そういう意味ではやはり最終的に酒田として考えていることが全体で一目でわかるような図面が、私は一刻も早く必要だなという思いでございますので、ここの部分については再度強い意志を示していただきたいなというふうに思います。 うわさの域を超えない話で大変恐縮ですが、先ほど来、地下道の関係については、道路の関係については、地下を通すか、あるいは陸橋をかけかえるかと。確かに浜田の陸橋についてはもう多分修繕の限界に来ている状況だというふうに私も承知しております。あそこをかけかえとなると相当なまた費用がかかるわけですので、当然、先ほど市長がビー・バイ・シー、費用対効果の話をされました。地下を通すのがいいのか、今ある陸橋を一たんかけかえをするのがいいのか、そのときに道路はどういう方向性で、今の既存の道路とぶつけるのかも含めて、相当やはり検討は必要だというふうに思うんでありますが、それがネックでおくれるようなことは、ぜひしていただきたくないというふうに思います。 あと、港の関係、あきらめていないという言い方が正しいのかどうかわかりませんが、県でまだはっきりしないという部分も商工観光部長のほうから答弁ありました。私が申し上げたのは、現実的に今今、酒田港からトヨタの車を出すと、こういうことは多分ないんだと思うんです。むりだと思います。これから鉄道整備して酒田港に車を出すなんていうのは、夢物語としか私は考えられません。もっと現実的な答弁をいただけませんか。ニンジンをぶら下げるのもいいかげんにするべきだというふうに私は思います。そこ、はっきりと再度お答えいただきたいと思いますし、商工観光部長でだめであれば、市長から御答弁いただきたいというふうに思います。 駅舎本体の改築に今回手をつけられなかった理由の一つに、私はやはり新幹線の問題があるのかなというふうに思っています。これも私が再三一般質問で申し上げました、現実路線を見れば、羽越線の高速化にシフトすべきではないかということを再三申し上げておりますが、これはどうですか、やはり新幹線が決着しないと駅舎には手をつけられないと、こういうことでしょうか。ここもお答えいただきたいというふうに思います。 質問、終わります。 ◎石堂栄一総務部長 関井議員の重ねての質問にお答え申し上げたいというふうに思います。 まず1番目に、全体構想、関井議員のおっしゃる全体構想の期限はどうなるのだというお話でした。 私どもは、非常に現実的な意味でJR側とも協議を進めようとしております。したがって、例えば私どもが思っているものが現実的に、技術的に可能になった時点、そこがやはりこの構想のお示しのできる時点だろうと思っています。私どもが今、JR、それから県、こういった皆さんとの協議、あくまでも事前の協議でありますが、そこについては、先ほども実は申し上げましたけれども、平成19年度につくったああいったものを、そのままではありませんけれども、そこをベースにして、やはり町のあり方、それから動線のあり方、こういったことも含めて、具体的に協議させてもらっているというのが実態でございます。 ですから、関井議員のおっしゃる全体構想について、協議がある程度めどが見えた時点ということで、なかなか時期については、大変申しわけありませんが、いつまでと、途中の経過は御報告できると思いますが、なかなかその時期については明言は困難だというふうに思っております。 それから、2つ目のジャスコ跡地の路盤のお話がありました。確かに、あそこは真ん中に通路を通して、バスターミナルを置くという前提のもとで一部路盤の施工をしましたが、そこの部分について、仮に今の開発をする皆さんが施工したとしても、支障がないというふうに聞いております。ただ、一部そこに若干投資はしていますから、その手戻りはあるだろう、こういう認識はおります。 いつ皆さんのほうに話をされたのかということでありますが、私どももできれば駅の広場にバスが入れないかということを検討をずっとしてきました。そういった中で、そういった皆さんにも、その都度、今、検討はやっていると。こういう可能性もあるかもしれない、こんなお話で、確定的な話はしておりませんが、お伝えしてきたところでございます。そういった中で、正式にお伝えしたのは8月であります。 それから、駅舎のお話がございました。駅舎は、酒田市の酒田駅については、昭和35年に建築された駅舎だというふうに聞いてございます。そういった中で、例えばよくJRとの協議の中では、駅舎はどういう方向ですかと、私のほうも、耐震も含めて市もいろんなあるんですがというお話をしますが、なかなかそういった意味での返事は、大事に使っていきますよといったようなお話をいただいていたのが実態でございます。 そういった中で、先ほど市長も御答弁申し上げましたけれども、仮にいろんな方が今御提言されている、やはり駅とバスの結節点といいますか、そういったものが不可能であれば、これはこれでまた違った考えがあるんだろうと思います。ただ、今回、入るということでありましたので、駅舎については、現状ではまず私どもとしては、JRの考え方ももちろんあるわけでありますが、今のところ酒田市でどうのこうのという段階ではないということでございます。 それから、浜田跨線橋の話もありましたけれども、それはそれとして、必要な時期に浜田跨線橋はきちっと整備していかなければならないだろうというふうには思っています。 それから、新幹線の話がありましたけれども、これはどうなるかわかりませんけれども、それによって、例えばフルの新幹線が来た場合に、今の線路の幅が変わるとかホームの形状が変わるとか、そういった大きな要因になった場合については、この駅舎等についても当然いろんな意味でかかわりが出てくるだろう、このように思っております。ですから、こういった高速化、来ないからどうのこうのということで、現時点では考えていないところでございます。 ◎小野直樹商工観光部長 先ほどもお答え申し上げましたが、県の鉄道利用可能性調査がまだ出てございません。こんな中で、完成車の輸出はないんだというようなことは、まだ言えないのではないかと思っております。 ----------------------- △門田克己議員質問 ○富樫幸宏議長 次に進みます。 28番、門田克己議員。 (28番 門田克己議員 登壇) ◆28番(門田克己議員) 通告の順に従いまして、一般質問を行います。内容によっては前者の質問と重複する部分もあるようでございますが、よろしくお願いいたします。 最初に、酒田港について伺います。 政府の方針で行われました重点港湾選定施策の中で、去る8月3日、国土交通省より酒田港を重点港湾に指定する、そういう旨の発表がありました。これは、酒田市長、市議会議長を初めとした、県知事、県議会、各自治体、さらにはかかわりのある団体、企業、まさに山形県の官民一体となった要望活動が実を結んだ結果であり、山形県、そして一番かかわりのある当市にとっては、大変喜ばしいことであり、今後の取り組みによっては、経済効果に大きな期待を持つものであります。酒田港は酒田市のものだけではなく、山形県の財産であるという意識がなお一層強く印象づけた一幕であったと考えます。関係各位の御努力に心より敬意を表させていただきます。 前者にも御答弁ありましたけれども、各界の代表は口をそろえて、重点港湾指定はゴールではなくスタート地点に立ったんだと、これからの取り組みがいかに重要であるかしっかり認識しなければならない、スタートラインに立ったものと考えるものであります。そんな状況の観点で質問を行うものであります。 項目の1として、港湾利用拡大へのビジョンなどについて伺います。以下3点につき、当局の御所見を伺うものであります。 第1点目は、利活用拡大のために必要な整備についての見通しなどについて伺うものであります。 港湾の維持と活用拡大には、港の目的と利便性を持ち合わせた整備が不可欠であります。今後、しゅんせつや岸壁、防波堤、港湾道路など、さまざまな整備に取り組むものと考えられますが、何が一番必要と考えられておるのか、最近の課題は何なのか、その見通しなどについて伺うものであります。 第2点目は、貿易振興について伺うものであります。 私は、3月定例会においても同様の質問をさせてもらっておりました。重点港湾指定港を有する酒田市としては、港を最大限に活用した、物流拠点とした貿易面への取り組みが重要なことは当然のことであります。国内市場が縮小している現状において、国内の輸入、輸出だけでは限りがあります。海外市場の重要性はますます高まっている本県にとって、農産物や農産加工品の輸出振興のこれからの農業を考える上で、大きなテーマとなるはずでございます。 だとするならば、酒田港の利活用をどう向上させるべきかは、当然考慮しなければなりません。当市としては、どこに着眼し、どんな戦略をもって酒田港の活力を強めようとされるのか、また県や港湾事務所などとの連携への考え方もあわせて当局の御所見を伺うものであります。 第3点目は、港を利用する企業への支援と企業誘致について伺うものであります。 港を取り巻く活力は、企業誘致もさることながら、民間企業の手法を大いに発揮してもらうことが大事な視点と考えます。国でも、株式会社が港湾を管理運営できるよう、港湾法の改正を検討しているとの考えもあるようでございますが、それを受けて、県でも民営化は必要と考え、近く民間との意見交換をしたいとの方針も出ている状況にあります。 現在、リサイクルポート指定地域には10社、約250人程度の雇用が創出されております。これからの自動車産業や農産物を含めた県産物の物流にどのように取り組むか、考え方、手法であります。地場産業に向けた啓蒙にどう取り組んでいこうとするのか、その考え方、手法への所見を伺うものであります。 次に、企業誘致の考え方について伺います。 金融危機による世界同時不況以来、なかなか景気浮揚が難しく、最近では円高が予想以上進み、きのうでは一時82円台まで値上がりしました。輸出依存の大きかった日本の製造業界は悲鳴をあげております。このままでは、企業の海外移設がますます進み、国内企業が空洞化するのではないか、加えて雇用環境がさらに悪化するんではないかと心配するところであります。そんな中での企業誘致は、どの自治体でも苦戦しており、なかなか好転せず、当局の日々の努力にもかかわらず、成果を出すには至難の取り組みであることは十分認識するものであります。 しかし、私としては、されど企業誘致だと考えます。今までの努力は決して無の遺産ではないと信じたいのでございます。誘致活動を緩めたりあきらめたりすることは、あってはならないと思っております。 ここで肝心なのは、やはりトップセールスを従来にも増して展開してもらうことを強く要望したいものであります。市長は、従来もポートセールスを初め全国企業訪問など活動し、努力されていることは重々承知しておりますが、なお一層の御努力をされることで、結果に結びつくことを期待するものであります。市長の誘致活動による感触や見通しなど、公開できる部分がありましたら、範囲内で伺いたいものであります。 項目の2として、異常気象による農産物への影響について伺います。 100年に1度と言われる世界金融危機不況と言われたリーマンショックから2年が経過しました。今度は、100年どころか113年以来の異常気象、熱帯夜の日数、熱中症で亡くなられた方々の人数、記録ずくめの猛暑に見舞われました。その大きな原因は、地球温暖化に伴う偏西風や太平洋高気圧によるものとも言われておりますが、ことしの夏の猛暑には、市民の皆様も大変御苦労されたのではないかと思っております。このような状態の中での農産物への影響と懸念などについて伺うものであります。 まず第1点目として、米の収穫と品質の見通しについて伺います。 ことしの気象状況では、必要以上の暑さが影響し、稲の生育には決してよくなく、収量と品質が大変心配されておるようでございます。収量については収穫してみなければわからない部分もあるわけでございますが、品質に関しては、米の胴割れや乳白粒が多く、品質が例年になく悪く、一等米比率もかなり下がるのではないかと心配されておるのでございます。 さらには、景気低迷やデフレの影響などにより、米価が下落する可能性がありますし、持ち越しの保存米も県産米で約3万9,000t、全国レベルでは30万tとなっているようであります。 当局としては、酒田市の米づくり、収量、品質に対し、どのような見通しを立てておられるのか、まず最初に伺うものであります。 第2点目は、野菜や海産物への影響について伺います。 前段で申し上げたとおり、米もさることながら、秋野菜や海産物への影響も懸念されております。 野菜は、種をまいても苗を植えても、芽出しや根つきが悪い状況にあります。人手の少ない状況にある農家経営者は、かん水作業に手が回らず、天候に頼るしかないとあきらめムードの生産者が多いことも事実であります。秋野菜の収穫量が少なければ、当然市場価格も高騰するわけでございますので、家計には大きく響きます。 同じく、海産物にも例年とは違った影響が出ておるようでございます。海水温の上昇により魚群の生態系に変化があり、市場価格にも影響を来たしているところもございます。 当局の現状の認識と、対応策などを含め、御答弁をお願いするものでございます。 最後に、3項目めといたしまして、アメリカシロヒトリ駆除への対応について伺います。 ことしは、異常気象によるものと考えられますが、アメシロが異常と思えるほど発生しております。その駆除体制については、私にもさまざまな声が入っておりますので、当然当局にも苦情が殺到したのではないかと思っているところでございます。当局は、このアメシロの発生に対し、市民からの苦情内容やその駆除体制にどのように対応されたのか、今後への課題も含め伺い、御答弁を求めるものでございます。 以上申し上げ、1問目といたします。 (阿部寿一市長 登壇)
    ◎阿部寿一市長 門田議員の御質問にお答え申し上げます。 酒田港の重点港湾選定、ここからがスタートというようなことで、さまざまな観点からの御質問、御指摘などをいただきました。 まず、利用拡大のために必要な施設の整備はということになりますが、このことについては従来から酒田港の課題であります。それは、冬季の静穏度確保対策であります。冬季について港が荒れますと、酒田港を抜いてほかの港に入る、抜港ということが起きたりしますと、荷主としては安心して荷が確保できないということになって、酒田港を使いたくても冬季は使えないよということになります。そういうことでは大変困るわけでありまして、大変地道な作業のようでありますけれども、防波堤の延伸、そういうようなことで冬季間の港湾の静穏度対策の充実が一番大きな課題だろうというふうに思っております。安定して港を使っていただくために、冬だけは横浜とか東京を使う、そんなことでは安定的な荷物の確保ができませんので、冬季の静穏度対策であります。 もう一点つけ加えて申し上げると、近年、船舶の大型化が進んでおります。もちろん輸送コストを下げるということがどこの企業でも大きな課題であり、それを受けて、船会社でも船舶の大型化が進んでいるというのは現実でありますので、航路しゅんせつとか、それから岸壁の深度を深めていくとか、そういうようなことも、これからの港への対応ということでは大事な課題だろうというふうに思っております。施設整備上の課題でございます。 次に、貿易の振興策でありますけれども、酒田港の特徴を今、重点港湾の指定ということに加えて、今議会でも何回か申し上げてまいりましたが、県内のほぼ全域といってもいいと思いますが、高速道路の無料化の社会実験が実施されているわけでありまして、このことが、荷物を安定的に高速に、また安価に運ぶという意味では、大変大きなメリットがあります。内陸企業でもそういうメリットを享受しようという動きをぜひもっともっと多くしていただきたいと思っておりますので、この高速道路の無料化というものを一つ大きなセールスポイントにしていきたいと思っています。 それから、酒田港の特色のもう一つが、リサイクル、環境関係の企業が集積しているということであります。これから、資源小国日本において、また世界的な規模での環境問題が指摘されている中、リサイクル、環境というのはまさにこれからの産業でありますので、これの一歩先を行っている港だ、他港との連携も進んでいるということをしっかりとPRしていくということが、もう一つのセールスポイントだと思います。どんな産業でも、いまやリサイクルとか環境というものに対する配慮なくしては、企業活動ができないというのが実態でありますので、ぜひこういうことをもう一つの大きなセールスポイントにしていきたいと思っています。 それから、もう一つは、経済発展著しい日本海対岸諸国と、少なくとも東北地方の中では最も近い港の一つであるということをやはり大きくアピールしていって、今までは輸入が多かったわけでありますが、これからは農産物とかの輸出なんてことも、可能性として開けていくほど経済発展が著しいわけであります。もちろん農産物については日持ちの問題などの課題もあることは事実でありますけれども、可能性としては否定できないわけでありますので、こういうようなことを中心に、貿易振興策をしていきたいというふうに思っております。 それから、どういう体制で連携でというようなことがありますが、港湾の振興については、県の港湾協会、酒田市内では酒田港振興会、それから港のポートセールスに関してはプロスパーポートさかたポートセールス協議会など、それぞれ得意分野を持っている企業の皆さん、それから港湾管理者、そして地元の酒田市というようなことで、いろんな協議会をつくって組織しております。今、私は、必要なことは、これのほかにまた組織をつくる云々ではなくて、新たに重点港湾の指定の動きの中で見せた結束力でありますとか、県内他都市の協力体制とか、そういうものを決して熱が冷めない間に、やはりまた一層の連携強化をしながら総力を挙げていくということが大事であって、もちろん港湾管理者は県ではありますけれども、地元酒田市が一生懸命にならなければ、なかなか県や他都市の企業などについても熱意が伝わりません。しっかりそのような連携を強化し、総力を挙げる中で、主体的な役割を果たしていきたいものだというふうに考えております。 それから、港を利用する企業の支援ということでありますが、これからは、先ほど議員からも御指摘がありましたように、港湾管理の民営化というようなことまで言われる時代であり、酒田港については従来から民間と行政、関係者と連携を非常に緊密にとりながら、いろいろな港湾振興をしてきたという歴史があるというふうに思っております。このパワーを生かしていくためにも、今現在国のほうでも検討中でありますが、港湾管理の民営化ということについては、その動きが見えた時点で迅速に対応していくというようなことを私はやっていきたいものだと思っております。 このことは、山形県も同じような考え方だと思っておりますので、相互に連携しながら、港湾管理の民営化を進める、もしくは民間の力をどんどん導入していくということを進めていきたいと思います。そんな中で、港を利用する企業支援として何が必要なのか、現在もいろいろな制度をつくっているわけですが、意見も出てくると思いますから、そういうものに迅速にこたえていきたいと思います。 ただ、今、私は酒田港が内陸地方からは遠い港だという印象がまだまだあるのだろうと思います。今回、山形県唯一の港だというようなことを県内各地域の皆さんから理解を深めていただきましたが、やはり、じゃ、それをもっと身近な港だというふうに思っていただくためには、一度使っていただくということが大事だろうというふうに思います。新たに使うトライアル、試行的に使う方々に対しての支援制度などもありますので、今、企業支援としては、まず使って、この支援を受けて使ってみていただくこと、それが大事だと思いますし、また、県内各地に酒田港を使って効果を上げている企業の例などもあるわけでありまして、国や県、県や酒田市から言われることも、なるほどと思うことがあるかもしれませんが、同じ企業、会社仲間といいますか、同じ地域の会社経営者同士が、いや、使ってみたら便利だよというようなことを言い合っていただくことも大変大事だと思いますから、そういう働きかけもしていかなければならないと思っております。 最後に、港を利用した企業誘致というようなことなどについてお話をさせていただきますが、製造業の関係については、やはりまだ業況がしっかり見えていない、特に円高による経済の空洞化がどこまで進むのかというようなところについて、まだ懸念を持っている形だというふうに思っています。 今、政府において円高についての市場介入が進んで、少し元気になってくるのかもしれませんが、いまだもってやはり製造業については、酒田市に対して、いずれ業況が回復したらば立地しますと言っていただいている企業でも、やはりちょっとまだ厳しさをぬぐい切れていないという状況ではないかと思っています。こういうような企業についても、議員からも御指摘がありましたように、定期的に訪問して、酒田市に対する好印象をぜひ維持し続けるというようなことを努力を重ねていきたいと思っております。 その中でですが、リサイクル関連の企業の方の視察などが、ここ数カ月結構相次いでいるわけであります。リサイクルポートであるということがやはりだんだん認知されてきております。それから港を持つ重点港湾であるということ、そしてまた港の中に結構大きな後背地を持っている、これは残念ながら企業撤退によるものなども大きいわけでありますが、後背地を持っているということを魅力に感じていただいている企業も数々出てきております。私はこの点について、私も直接お会いして、リサイクルポートであることの優位性や、立地環境、地域の皆さんも協力的であるし、優秀でまじめな労働力も豊富にありますというようなことなども御説明も申し上げ、強い興味を持っていただいているところであります。 また、もう一つ、私自身が考えて、そして訪問の機会を設けているのが、今、ハイブリット車も含めて全盛でありますが、いずれそれらのことについてもリサイクルということが出てくるわけであります。ハイブリット車というのは、御存じのとおり、レアメタルの宝庫でありまして、そのリサイクルということについても、いずれ近い将来に出てくるというふうに思っておりますので、このあたりについて、そういう製造拠点もあわせてもちろん頑張るわけですが、今このような経済環境の中では、少しリサイクルとか環境ということに注目しながら企業訪問などを続けているところであります。その際、リサイクルポートですよ、重点港湾に指定されましたよということは、かなり大きなインパクトとして受けとめていただいております。高速道路がまだ整備途中であるとかというマイナス面もありますが、必ずや続きますよ、今も工事は進んでいますよ、港の近くまで高速道路が来ていますということを申し上げると理解いただけるようなところがございますので、何とかこのような頑張りを続けていきたい、そしていち早く地域の皆さんの期待にこたえるためにも、それが形になるよう引き続き努力したいと思っております。 以上です。 (前田茂実農林水産部長 登壇) ◎前田茂実農林水産部長 異常気象による農林水産物への影響についてお答え申し上げます。 ことしの全国の平均気温は、統計開始以来最高であったというようなことでございまして、農林水産物について大きな影響が出てくることが予想されております。 まず、水稲についてでございますが、出穂期が早かったことから、平年より10日程度刈り取りが早まると、こういう状況がございます。その収量につきましては、収量を決定する単位面積当たりのもみ量がございますが、これはほぼ今現在確定しておりますので、庄内は平年並みという予想が出されてございます。 ただ、御質問にございました品質については、高温による障害が出てきておりますので、一等米比率の低下が懸念されてございます。現在、平成11年度の5.5%というのが高温障害の出た年の一等米比率でございます。平年は80から90%の状況でございますので、到底この80から90には至らないであろうと、こういう見通しでございますが、最近の夜間の冷え方によって左右されているという状況でございます。 また、米価についての御心配がございましたが、御承知のように、概算金の支払い額が大幅な減額となってございます。これは、消費の拡大、自給調整及び在庫調整等がこれから必要になってくるわけでございますが、今年度から米の戸別所得補償モデル事業が制度化されておりますので、この仕組みの中で補てんされるという状況になってございます。 次に、野菜等への影響でございますが、まず、生産現場におきましては、高温と乾燥による生育障害が出ております。大豆、和ナシ、花卉、ネギ、大根、白菜等で障害が出ているという状況でございます。しかしながら、こうした状況を乗り越えて出荷された野菜、今現在庄内青果市場でも品薄傾向にございますが、物によっては15%から20%の高値で取引されているという状況でございます。特に花卉の中でお盆用の小菊がございますが、これについては中央市場で二、三倍の高値で取引されているという明るい話題もあるわけでございます。 次に、水産関係のことがございました。水産物につきましては、現在のところ、異常気象による極端な影響はないと伺ってございます。県漁協によれば、全体の漁獲の量は前年並み、酒田港での主力水揚げ品種であるスルメイカは、前年度比98%という状況と伺ってございます。それからイカ釣り船団の関係では、漁獲量、漁獲高ともに平年並みということで伺っております。市としましては、現在、県漁協と連絡を密にして、これらの実態把握に努めているところでございます。 御承知のように、農林水産業は猛暑など自然環境に左右される宿命を持ってございます。今後とも、これまで積み上げられてきましたセーフティネットを活用しながら、その安定性の確保に努めてまいりたいと考えてございます。 次に、アメリカシロヒトリへの対応についての御質問がございました。 本市においても、今年度は爆発的な大量発生が起こっております。特に市街地におきましては、お盆以降の第二世代が異常発生しておりまして、第一世代は21%の増、第二世代はほぼ前年の倍に達しております。 御質問のありましたアメリカシロヒトリの現地対策本部に寄せられました苦情の内容でございますが、一つは早く駆除してほしい、隣の木にも散布してほしい、対応が悪い等々、公助に関するものがほとんどでございました。現在の駆除の体制としましては、アメシロ対策本部が電話連絡を受けてから、調査員が家庭訪問します。それがどういう虫であるか調査し、その後に防除班が出向いて無料で薬剤を散布すると、こういう方式でございます。こんな状況でございますので、スピード感のある対応ができなかったという反省を持ってございます。 これからの対応でございますが、今回、共同防除の体制が整備されております農村部におきましては、1件の苦情もございませんでした。かつ、また共同防除による早い対応がなされた地区では、効果が上がったということがございます。そんなことで、来年度に向けて、一斉防除に戻すということも含めて検討したいと考えてございます。 以上でございます。 ◆28番(門田克己議員) ただいまいろいろ御答弁いただきましたので、私の勉強不足の点もあろうかと思いますが、2問目を行いたいと思います。 先ほども市長もおっしゃられておりました、重点港湾指定がゴールではなくてスタートなんだと、全員そういうふうな認識でおります。 ただし、やはり私が思うには、四十数港に日本の中の港の中で酒田もそこの選定に入ったということになったことで、やはりいろいろ港湾を利用する関係者は非常に興味をまた酒田港に対して強くしたんじゃないかなと。それをやはり期待しなければならないと思うんです。 そうした場合に、やはりこの時期にいかに酒田港をPRするか、いろいろやっておられるのはわかりますけれども、より色の変わった形で、トップセールスを含めたPR、あるいは利活用への促進に対する要望をいかに世間に、関係者にPRするかということが、私は今がやはりそのチャンス、機だと思うんです。この機を逃したら、やはり出遅れるんじゃないかなと思います。だけれども、それをやるのは、PRするネタがなければ、ネタがなければPRしても空振りになる懸念も心配もあるわけでございます。 そういう面で、やはりさっき市長も申し述べておられたように、当然県管理の港湾ではございますが、これは法が改正にならなければできないわけですけれども、そうなった場合の民間感覚の考え方というものを事前にやはり集約するような、そういう動きも私は大事なんじゃないかなと、こう思います。その辺に対しての考え方、受けとめ方もお願いしたいと思います。 2番目は、将来の伸びしろへの期待というふうにあります。伸びしろということは、ただ待っていて利用客がふえるわけでなくて、先ほど申し上げたとおり、いろんなPRしながら、説得をしながら、背景を説明しながら、利用者の関心を深くするということが肝心なんであって、じゃ、この伸びしろをどういう部分に求めるのか。 例えば、私は二つあると思うんです。将来の伸びしろへいち早く投資して、うちはこういうふうに投資して、こういうふうに整備して利用客の拡大に向かっているんだというメッセージを発すること、これが第1点。もう一つは、利用客からいろんなことを聞いて、利用させておいて、あれが足りない、これが整備が悪いというものに対して補うといいますか、それに対応するという部分があるわけであります。 やはり安全なのは、実際港を使った方々の要望なりそういうものを聞きながら対応するのが、一番投資対経費は間違いないわけでございますが、果たしてそれで間に合うのかなという感じがするわけでございます。やはり思い切った、港に対する思いが強いのであればあるほど、私はよその財源をある程度投入しても、出動しても、私はこの港というものは多額の資金が必要だということはわかりますけれども、やはりここにしかない重点港湾でございますので、これを最大限に利用拡大するためには、やはりそこにはそれなりの先行投資は必要なんじゃないかな、そういう思いがなかったら、私は酒田市のPRに対して非常に力の弱い説得になるんではないかなと、こういうふうな感じがするわけでございます。 先ほど市長もおっしゃられていました、将来は入れかえ戦もあるんじゃないかなというようなことがあります。ですから、入れかえ戦で残れるのかどうかということは、もう今から、この入れかえ戦がいつあるのかわかりませんけれども、あるのかないかもわかりませんけれども、その間にこういうふうに向かって少しずつこういうふうに前向きに進んでいるんだ、酒田港はそういう伸びしろを訴えたけれども、それが実際数字になってあらわれているんだというようなメッセージ、あるいは実績にしないと、私は二次選考、この入れかえ戦で落馬するようなことも考えられるんじゃないかなと、こういうふうなところでございます。 端的に1点聞きます。しゅんせつに対する、当然これは県のことなんで、うちらがどうのこうの言うわけじゃないんですけれども、このしゅんせつ、水深が現在13m、これを関係者は14mにしたい、市長もさっき船舶が大型化になっていると、こういうふうなことを申し上げておりましたので、この辺を言われているのかなと思っておりますけれども、このしゅんせつの13mの14m化の見込みはどうなんでしょう、単純に率直にお答え願いたいと思います。 それから、異常気象による米でございます。 農林水産部長もおっしゃっていた、やはり自然と気象状況によって左右されるんで、決してだれが悪い、かれの悪いじゃないんですが、農家の方は非常に心配されて、今収穫、刈り入れに入っているはずでございます。 実際、米価にしても、昨年度、私、ちょっと知識が外れていれば若干狂いはあると思うんですが、昨年度は1万2,300円、ところが、この間の報道では3,300円米価が下がりましたね。大体1,500円ぐらいは下がるんじゃないかなというもっぱらの予想はしていたんですが、倍下がりました。そうしますと、9,000円です、一等米で。ところが、今、品質が非常に下がって、一等米は非常に比率が悪いんじゃないかという見通し、これからまた一等米と二等米の差額が600円出ます。ですから、8,400円しかなくなるわけです。実際、前渡し金、これはいただいているわけですからどうしようもないんですが、3,000円ほど落ちていますと、実際に刈り入れで秋の収穫では1俵5,400円ぐらいしかないと、こういうことになるわけでございます。 加工米でさえも、Aクラスは7,500円なんです。どっちも食べるんですが、直接口にする米、それと加工米がたった1,500円しか、二等米になりますと1,000円ぐらいしかないんです。二等米であっても1,500円ぐらいの差がないんです。こういう米に対する価格設定がいかがなものかなと、私は直接米生産者ではありませんが、非常に疑問を抱くわけでございます。 それから、もう一つ気になるのは、当然精米するわけですから、歩どまりが悪いんじゃないかと思うんです、乳白粒を精米した場合。そうしますと、実質的なお金になる部分が少なくなるわけですから、もっと私は買いたたきに入るんじゃないかなということを心配するわけでございます。 そういうことも踏まえまして、行政がどうするこうするということまでは御答弁いただけないんでしょうけれども、やはりそういう状況に近い将来はなるんだと、酒田の米づくり農家の方はそういう状況に入っていくんだということだけは、ひとつ当局から十分認識いただいて、それに対する対応、一つの受け皿をしっかりと今からやっていただきたいなと、こういうふうな気持ちでいっぱいでございます。 それから、野菜のことも先ほど農林水産部長からありました。実際、15%から、物によっては20%、30%高騰しているやつもあるようでございます。 それから、水産物でございますが、実際やはり海水温が高いために、魚介類の今までいる場所が違っているんです。マグロとかタイなんかは、もう来るはずなのが来ていないんだそうです。 それから、これはいい面なんですが、エチゼンクラゲ、去年なんかはかなり9月に入って害をなしたわけですが、ことしは幸いにして来ていない。 エビなんかに至っては、大体4度ぐらいが適温らしいんですが、海面に上げてくるときに海面温度が二十七、八度になっているんだそうです。そうしますと、色が黒く変わるんだそうです、水揚げする海水の中で。そうしますと、品質が落ちて値段が下がると、こういうことで、関係者によると酒田市でやはり三、四千万円違うんじゃないかなと、こういうふうなことも言われております。 私は、それよりも何よりも、やはり前から言われていたように、漁業就労者、現在どんどん高齢化していって、これはどこの部分にもいえるわけでございますが、特に後継者がいなくて船を動かせない時期が早晩来ると。ならば、やはり後継者を育成するには、やはりそれなりの支援を、生活を保障してやらないと、あるいは保障できるような、一つの漁港を支える町として、私は何かしらの施策が必要なんじゃないかなと、そういう思いをしているところでございます。その辺に対する部長のコメントでもいただければと思います。 それから、アメシロでございます。アメシロが各自治会でいろんな苦情が入っています。当局にも当然入っているはずでございます。 問題なのは、やはりこれも高齢化、あるいは過疎化、これが影響していまして、発生しても見ているしかないという地域がいっぱいあるようなんです。それの最大の原因は、ひとり暮らしの御家庭、それから高齢者御夫婦の御家庭、中には専門の業者にお願いして消毒駆除をお願いしているわけでございますが、全部が全部そういうお金を出しながらやれるわけでございません。 それからもう一つ、空き家です。全然放置された空き家。この辺はどういうふうな、だれもこれは管理する気もなければ、する人もいない。これが非常にふえておられるような状況でございます。要は、植木を植えっ放し、手入れの管理なし、放置しっ放しと、こういう部分が非常に私は見受けられますし、そういう声を聞きます。 ですから、私はやはり自治会なり、あるいは各公民館単位には、衛生委員というのを配置してやっているわけでございますが、なかなか市街地では難しくなっているのかなというような気もします。だけれども、やはりこれはことしだけで終わるんだったら、ことしの反省だけでいい、気の毒だったでいいんですが、やはり来年、再来年もないんだというような保障はないわけでありまして、これは来年もあるという認識で私はやはり体制づくりをしなければならないと思うんです。 やはり、各自治体の仕組みづくりをどういうふうな体制で対応するのか、その辺はまだ時間は十分あるわけでございますので、今後の課題として、しっかり地域の自治会、あるいはリーダーの方に、どういうふうな啓蒙をしながら、お願いをしながら、来年に向けた体制の仕組みづくりをするのか、その辺に対する考え方もひとつ御所見を伺いたいと思います。 以上で2問目終わります。 ◎小野直樹商工観光部長 酒田港のPR、情報発信、これはまことに本当に大事なものだと我々も考えておるところでございます。 そんな中で、民営化の話がございましたけれども、現在、民間の方々が県、今現在は県が管理しているわけでございますが、その県と情報交換をしながら、これから民営化に向けて第一歩を踏み出してございますので、酒田市としても協力を一生懸命していきたいと考えておるところでございます。 そしてまた、やはり貨物量の拡大というのが大変な課題だと思ってございます。今現在、県内で集中的にポートセールスを実施しておるところでございます。やはり県内の企業、内陸が主なんでございますが、酒田港の利用が少ない、これが利用がふえることによって相当量の貨物量がふえます。そんなことで、企業を訪問しながら、いろいろと要望もいただいておるところでございます。 そんな中で、先日もありましたが、小口の混載貨物、こういうものの需要の掘り起こし、ニーズですか、そういうものの聞き取り、そういうものも既に百何十社に要望を聞いたり、いろいろなことをしながら、拡大に向けての取り組みを今進めておるところでございます。 今現在、県内は全体の14%ほどしか利用してございませんが、せめてこれを倍か3倍というような、そういうような拡大を目指してまいりたいと考えておるところでございます。 それから、港湾の入れかえはあるかもしれないということで、ないとはいえないというようなことで、これも大変心配してございます。したがいまして、これまで国に訴えてまいりました地域の拠点性、今後の伸びしろ、港湾運営の民営化への取り組みといった部分を着実に進めるための努力、これは必要だと考えております。 それと、具体的にしゅんせつの見込みということで御質問がございましたけれども、これは現在もしゅんせつは実施してございます。ちょうど平成21年から5カ年計画で今現在しゅんせつしてございまして、これにつきましては、着実に実施ができるというふうに理解しておるところでございます。このしゅんせつによりまして、相当のコスト縮減ができるというようなことも民間企業からお聞きしながら、それも今回の要望の訴える項目の一つとして取り組んできたところでございます。 以上でございます。 ◎前田茂実農林水産部長 何点かございましたので、順を追って答弁いたします。 米の価格への心配が最初にございました。等級ですとか、歩どまりですとか、買いたたきの心配があるということでございます。 米につきましては、現在、収量の減につきましては農業共済制度でカバーする、それから品質と価格については、戸別所得補償制度と収入減少ならし対策というのがございまして、これでカバーするということで、セーフティネットが機能する仕組みになってございます。このことを行政と両農協と一緒になって、ちゃんと農家の皆様にお伝えし、安心感のある農政、農業振興に努めていきたいと考えてございます。 それから、水産物の中で、マグロ、タイのことと、エビのことがございました。エビについては、今現在、甘エビですが、量で平年比の125%ですから、豊漁の状況ですが、単価は平年並みという状況でございます。漁につきましては、まさに漁師の腕の見せどころというところもございますので、そういった力に期待したいということでございます。 さらに、就労者への支援、後継者、生活保障というようなことがございましたが、現在、国において、来年度から資源管理漁業所得補償制度が検討されております。これは、沿岸、沖合、遠洋、養殖業の方が対象でございまして、収入安定対策とコスト対策が柱になってございます。こうした新たなセーフティネットがまた整備されますので、これと一体となって、どんなことができるか、県や市、漁協、一緒になって考えてまいりたいと思います。 それから、アメシロ対策の関係で、ひとり暮らしの御家庭、高齢者、空き家等への対応等々ございました。それから植えっ放しのことですが、まずは、どうすれば市民の皆様が緑を大切に思う心を持ってもらえるのかというような広報がまず大事でございますし、自分の木は自分で守るんだという自助の精神を持ってもらいながら、共同防除という地域での取り組み、共助の体制を構築するということが重要だと考えております。したがいまして、これから地域の理解と協力を得るために、各町内会等々と意見交換を重ねながら、よりよい体制づくりに努めていきたいと考えてございます。 ◆28番(門田克己議員) いろいろ口では言うけれども、なかなかこれを、簡単になるものであれば何も議論しなくてもいいわけでありまして、それだけの難しさはあるのかなと思います。 ただ、私は、さっき商工観光部長もおっしゃっていました貨物取り扱い量、県内の14%、2倍か3倍を掲げて頑張らなければならないと思うと、こういうことをおっしゃっていました。これは頑張るべきなんです。数値設定するべきなんです。35%にやります、45%に向けて、それに対してこういう政策、あるいはこういうPR、こういうセールスをして、これに向かうんだと、思いますじゃなくて、向かいますと、こういうふうに軸足を変えてもらわないと、なかなかこれは私は当局の意気込みがそれぞれの分野に伝わらないんじゃないか、肝心の当市の意欲が弱ければ、それだけ関心は薄くなっていくんだということだと思うんです。ぜひ、ひとつ頑張っていただきたいなと思います。 それから、農林水産部長からは米のセーフティネットがありました。セーフティネットでいろいろ、頭の部分、足の部分を支えているんだというお話がありました。結構なことでございます。だけれども、これが果たして担保できるのか、これはちゃんとあてになるのか、その辺はどういう御所見でおられるのか、最後にお聞きしたいと思います。 それから、農林水産部長とは先回はイカ論争をしました。今回はエビ論争をするわけではございませんが、エビもそういう状態で平年並みということでありますけれども、実際、昨年度よりはキロで600円ぐらい下がっているという話でございます。それで三、四千万円違うんだと、私はそういうふうにお聞きしておりますので、ひとつその辺も精査願いたいと思います。 アメシロは、来年もあります。どうかひとつ、ことしのうちに、時期前に早く、やはり地域にそれをちゃんと浸透させて対応するまでは、かなりの時間がかかります、説明も要ると思うんです、説明会も要ると思うんです。ただどんといってやってくれと言っても、これはなかなか難しい問題だと思うんです。その辺を丁寧に意思を説明していただいて、地域の方から快く、自分の地域は自分で守るんだという意識に立ってもらうような、そういうひとつ進め方をお願いしたいと思います。 以上を申し上げ、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ◎前田茂実農林水産部長 セーフティネットの話がございました。やはり、国の政策は国が責任を持って、市町村の施策は市町村が責任を持って行うべきだろうと考えております。 また、イカやエビ、アメシロの話、十分留意して頑張ってまいります。 ○富樫幸宏議長 休憩いたします。 午後1時再開いたします。   午前11時50分 休憩 -----------------------   午後1時0分 再開 ○富樫幸宏議長 再開いたします。 ----------------------- △阿部ひとみ議員質問 ○富樫幸宏議長 午前に引き続き一般質問を続けます。 8番、阿部ひとみ議員。 (8番 阿部ひとみ議員 登壇) ◆8番(阿部ひとみ議員) それでは、私からも通告の順序に従いまして一般質問をさせていただきます。 初めに、本市の防災への取り組みについてお伺いいたします。 9月1日は防災の日でありましたし、5日までの防災週間も終わりました。ことしは8月に台風4号が東北地方を横断して、台風9号が日本海を通過し、そして13日、14日は非常に強い雨で、本市の北俣地区では避難された方もおられたということで、河川の増水や道路の浸水など、非常に心配されたと思います。近年、異常気象のせいか、日本でもまた、世界各地で大洪水や土砂災害、局地的大雨、台風、そして地震が発生しております。その自然災害を目にするたびに、心構えをしっかりと持ち、その災害に対処しなければならないと感じております。 9月5日に酒田市総合防災訓練が松山地区にて行われまして、猛暑の中、600人近くの方が参加されており、防災訓練、地震災害に対する関心の高さをあらわしておりました。私も一連の訓練を拝見いたしまして、自主防災組織、または自治会の皆さんによる訓練が多く設定されておりましたが、バケツでの消火作業、倒壊した屋根やブロック塀の下敷きの方の救助、また灯油のホームタンクが転倒して油漏れに対する防止措置などがありました。そして、けが人を救護所に搬送する訓練では、竹と毛布を利用した担架があったり、リヤカーを使ったり、大変身近に感じた訓練内容でした。 なぜ、このような住民による身近な訓練が必要かと考えたときに、大規模な地震が発生した場合、一地域だけではなく庄内全域が被害に遭うことを考えれば、ビルや家屋の倒壊、橋の落下、道路の陥没、土砂崩れによる通行不能、家屋からの出火などが何カ所からも発生することが予測されます。 そのような状況では、消防や警察などの防災機関や行政サイドも即時の対応ができません。15年前の阪神淡路大震災がそのとおりでした。現場から避難しようとする人、自宅の火災、家族の安否を確認する人たちで大混乱したことは、マスコミなどの報道で周知の事実と思います。 その中で、住民の救助は、消防、警察、自衛隊などの公的な防災機関が2割、8割は近所住民の皆さんが助け出したとのことです。この現実を知るがゆえの訓練であり、それぞれの皆さんの行動だったものと思い、この訓練で最も大事な点は、公的な救助はすぐには来ないということ、自分たちの町は自分たちで守るという意識づけが地域防災力につながっていくということです。 そこで、平成22年3月現在の酒田市の自主防災組織は、460の自治会のうち411の自治会で組織されておりまして、89.3%まで進められておりますことに大変心強く思っておりますが、組織は立ち上がったけれども、どんな活動をすればよいのか、明確に伝わっていないのが実態なのではないでしょうか。市民一人一人の防災への関心の温度差、地域の環境、特性など、難しい課題もあるでしょう。しかし、それを解くかぎはやはり訓練にあるのだと思います。 そこで、第1点目、防災訓練のあり方についてお尋ねいたします。 訓練の方法には、その先が見えるようなストーリー性のある訓練が必要であると思います。災害が発生したときに、住民が最初にしなければならないことは何か、次の行動は何か、まずは自分の身の安全を確保し、家族や隣近所の安否の確認をする、そして自主防災組織ができていれば災害本部を立ち上げ、それぞれの役割や行動をすることになります。これらの訓練を、総合防災訓練だけではなく、自主防災組織独自での訓練の指導はされているのでしょうか、お伺いいたします。 2点目としまして、自主防災組織のリーダーに対する研修についてお尋ねいたします。 9月1日の防災の日のラジオ番組で、ことし2月27日に発生しましたチリ地震による津波警報で、岩手県の三陸地方のある自治会では、ふだんから避難訓練を行っていたことから住民の避難行動がスムーズに行われ、長時間にわたる避難生活にもぐちを言う人もなく、避難が解除されるまですべての住民が指示を待つ状況があったということです。そこには強いリーダーシップが発揮されていたようです。このリーダーの皆さんに対する災害の発生から避難所までの行動と、避難所での役割をイメージするためにも、現在の研修をさらに拡大して指導、養成すべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、避難所生活が長引くと、ストレスなどからけんかになったり物資の奪い合いなど、さまざまないさかいが生じてきます。これを考えたときに、ライフラインが途絶え、布団もない状況での避難所生活を体験する訓練も必要と考えますが、いかがでしょうか。 3点目に、地域防災マップづくりについてお伺いいたします。 本市には、酒田市民防災ガイドブックが配置されておりますが、もっと細かく地域の事情をよく知り、その地域にあったハザードマップが必要と思います。例えば、応急手当をしてくれる医療関係の方、資機材を提供してくれる事業所、そして食品店などの調査、また危険な地形や建物、電柱、ブロック塀などの場所の把握、そして高齢者やひとり暮らしのチェックを防災マップにあらわし、一目で状況が判断できれば、救助の方法もわかりやすいのではないかと考えますが、そのような指導もされたらいかがでしょうか。 4点目としまして、学校教育における防災教育についてお尋ねいたします。 このたびの総合防災訓練は、松山中学校が会場になっておりましたが、残念ながら中学生の参加がありませんでした。本市では、昭和51年に1,774棟を消失した酒田大火がありました。その恐ろしさを体験していない年代は、災害に対する危機感は薄いと考えます。私たちの危機感の継続はもちろん、次世代を担う子供たちに、命の大切さ、助け合う共助の心をはぐくむ指導をしていくためにも、行事に組み込む方向へ参加すべきと考えますが、いかがでしょうか。 5点目としまして、要援護者の避難についてお尋ねいたします。 本市では、災害時要援護者避難支援事業が整備されておりまして、援護が必要な方と支援できる方の台帳を作成して、避難誘導や安否確認などの支援体制が取れるようになっております。平成22年3月末現在での要援護者の登録が1,061名、支援者の登録が1,431名となっておりますが、全体の中で要援護者に対しての支援者が十分に確保されているのでしょうか。また、満遍なく配置がなされているのでしょうか、お尋ねいたします。 さらに、高齢者や障がい者への避難支援対策として福祉避難所を指定すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。 6点目としまして、ボランティアの受け入れ体制についてお尋ねいたします。 総合防災訓練の中では現地本部が立ち上がっている状況でしたが、実際のところは、公的な防災機関や行政が動く前にボランティアやNPOのメンバーが災害時に入ることを考えれば、現地での受け入れや受付、配置などの対応をしなければなりません。自主防災組織を主にして、行政サイドでの受け入れを含めて、かかわりや連携が必要とされると考えますが、その研修や指導はなされているのでしょうか、お聞きしたいと思います。 次に、7点目としまして、防災資材保管庫についてお尋ねいたします。 本市の各防災センターには、防災用資機材保管庫が配置されております。主なものとしましては、ハンドマイク、ラジオ、動力ポンプ、消火器、担架、石油ストーブ、発電機、簡易トイレ、移動式炊飯装置などで、非常にきれいに保管されておりますが、期限切れのものもありまして、実際に本番で使用できないことも想定されます。日常の点検や訓練での使用があるとは思いますが、備品や消耗品の交換などはどのセクションで担当され、指導されているのでしょうか、お伺いいたします。 次に、一部、昨日の高橋議員の質問と重なる点がございますが、私からも消防団員についてお伺いいたします。 災害が発生したときに、公的な防災機関が出動できない場合、重要な役割を果たすのが地元消防団であることは言うまでもありません。その消防団の中で、飛島の女性消防団は本年、発足100周年を迎えるという記念すべき年でありまして、火災での活躍や住民に対する火災予防の指導では、無火災を何年も継続されたという実績に頭の下がる思いでおります。 そこで、3点につきましてお伺いいたします。 1点目に、消防団員の職業についてですが、自営業や専業農家の方が少なくなっておりまして、サラリーマンや兼業農家が多いと思いますが、本市ではどのような割合になっているのかお尋ねいたします。 2点目に、女性消防団員の構成、募集内容についてですが、飛島の女性消防団の活躍されていることは先ほど申し上げましたが、ほかの女性消防団員は何名ぐらいいらっしゃって、どのくらいの年齢層になっているのでしょうか。また、募集の方法と、応募すればどなたも入団できるのでしょうか。そして、女性消防団はどのような役割を担っているのかお聞きいたします。 3点目に、女性消防団の将来像についてですが、状況によっては、飛島のように、女性が消防車の運転や消火作業に当らなければならないことも発生すると予測されます。また、男性の従団が少ない場合は、そのような活動もあり得ると考えますがいかがでしょうか、お伺いいたします。 次に、大きな3番目の子宮頸がんワクチンについてお伺いいたします。 この懸案につきましては、さきの6月定例会にも質問させていただいておりますが、このたび、2011年の国の予算概算要求で、元気な日本復活特別枠としまして、市町村が実施する予防ワクチン事業に要する費用の一部を助成するということで、子宮頸がんワクチンの助成150億円が盛り込まれました。このことは、子宮頸がんが予防できる唯一のがんと呼ばれておりますし、特に若い女性に急増している子宮頸がんの撲滅に向けて、大きな一歩としまして大変期待しているところです。 その状況の中におきまして、3点についてお聞きいたします。 1点目に、先ほど申し上げました国の動きに乗じて、9月に入ってから公費助成に踏み切る自治体が非常にふえております。6月の定例会では、市長から前向きな御答弁をいただいたと感じておりますが、酒田市重要事業要望書にも掲げられております中で、現時点での本市の進捗状況、また考え方をお聞かせ願いたいと思います。 2点目に、効率的な検診方法についてお尋ねいたします。 子宮頸がんを撲滅するには、ワクチン接種と子宮がん検診を両輪にして進めていかなくてはなりません。乳がん、子宮がんの検診率向上に向けて無料クーポンの施策が取られておりますが、まだまだ受診率が低い中で、いかにして目標に近づけるか大きな課題になっております。 現在、乳がん、子宮がんの検診は、庄内検診センターや病院などの施設に出向いて受けるようになっておりますが、数年前には移動検診車があったと記憶しておりまして、他の自治体では現在も利用しているようですが、本市としましてはどのようにお考えでしょうか。また、庄内検診センターでは、各地区で検診を受けられなかった方のために、第1、第3土曜日に受診できるようになっておりますが、利用されている方は多いものでしょうか。それに乳がん検診の検診を加える方向にはお考えではないのでしょうか、お伺いいたします。 3点目に、性教育を含めた学校教育についてですが、市内の小中学校では、学年に応じて、命の大切さ、体の仕組み、性にかかわる教育を行っているとの答弁をいただいておりましたが、今後、ワクチンの重要性や必要性を理解してもらうこと、そしてワクチンを打ったから大丈夫というような誤解をしないような性教育が必要と思われますし、教育現場としても切り離すことのできない重要な課題になると考えられますが、どのようにお考えか、お尋ねしたいと思います。 以上で私からの1問目といたします。 (阿部寿一市長 登壇) ◎阿部寿一市長 阿部議員の御質問にお答え申し上げます。 防災への取り組みということで何点かお尋ねがございました。 酒田市の自主防災組織の組織率、一生懸命皆さんからも頑張っていただき、私たちも頑張りました結果、徐々に上がっていっていることは、本当に喜ばしいことだというふうに思っております。このような自主防災組織や、それからコミュニティ振興会を中心にさまざまな取り組みをしていただいているわけでありますが、昨年度、平成21年度においては30カ所、これはコミュニティ振興会ですと自主防災組織は複数入りますので、必ずしも自主防災組織の数とはリンクいたしませんが、延べ2,087人の参加を得て訓練されております。 しかし、残念ではありますが、すべての自主防災組織でこのような実際の訓練を行っているという状況ではございません。このようなことから、自主防災協議会、さらには各コミュニティ振興会などに対し、研修会、出前講座等々の各種会合の機会をとらえて、防災訓練の実施を積極的に働きかけてございます。 また、実際やる、実施するというときに、どういうことをやったらいいかということなどについての相談などにも、きめ細かく対応してございます。実際の災害時、本番では練習以上のことを実施できないのだろうと思いますので、ぜひ、いろんな御都合はあると思いますが、自分たちの身を守るというような意識を持っていただきながら実際の訓練を実施していただけるよう、今後も働きかけていきたいなというふうに思っております。 それから、自主防災組織の運営もそうでありますが、実際の災害時においても、地域の防災関係のリーダーというのは大変大事だという御指摘、そのとおりでございます。このため、まず今自分たちの地域にどういうような災害時に危険などがあるのか、また災害後の復旧などに支援をいただけるような商店など、医療機関などがどのようなものがあるのかということを承知していただく必要があります。このため、まずそのリーダーを対象に、災害時の図上訓練、災害が発生したことを想定して図上で、地図上で具体的にどういう避難をしたらいいのかとか、そういうことも含めて、どこが危険箇所なのかというようなことなどを図上で、相互に議論しながら、実態を把握するという訓練を今いろいろな形でやっているところでございます。 また、先ほども申し上げましたけれども、自主防災協議会などでも各種リーダー研修的なこともやっていただいておりますので、こういうようなことをしっかりと私たちも支援して、各地域での防災関係のリーダーの育成、こういうようなことをしっかり図っていきたいと思っております。 その訓練の中ででありますが、避難所生活を体験するような訓練をというような御指摘がございました。まことにそのとおりだろうというふうに思います。 市でも、平成18年度まで総合防災訓練の中でこのような宿泊体験、避難所体験というような形の訓練をしておりましたが、やはり実際の訓練となりますと、地元の負担もやはり大きくなるわけでございます。負担というのは、別に金銭的なという意味ではありませんけれども。そういうようなことから、今はやってございません。 しかし、その重要性は否定するものではありません。むしろ、そういうことをやっていただくことは非常に有用だというふうに思っておりますので、まず先進事例、どういうような訓練をしているのか、先ほど岩手のほうの例を引かれて御指摘ありましたけれども、そういうような訓練の概要などを十分把握して、その内容を各自主防災組織やコミセンなどに紹介して、ぜひそういう訓練についても御検討いただくよう働きかけをしていきたいというふうに思っております。 それから、地域の防災マップづくりについて、やったらどうかというお話がありました。 先ほどリーダー育成のところでも申し上げましたけれども、図上訓練をやってございます。この図上訓練というのは、実は議員から御指摘があった地域の防災マップづくりに結びつくものだと思っております。そのような図上訓練を行った以降、地域の中で幅広く話し合ってもらって、地域の防災マップを策定していただくようお願いしていくことは、大切なことだというふうに思っておりますし、また、実際そういうような取り組みをしているコミセンなどもあるところだと理解しております。 これからの話でありますが、出前講座でも先ほどいろいろやっていますよという話をしていましたが、その中に、図上訓練のこと、地域防災マップづくりのことなども加えて、そういう意味では技術的なアドバイスをすると同時に、防災マップをつくるとなりますと大きな地図とかの確保が必要ですが、それについても、要請があれば、しっかり市のほうで提供するなどの協力をしていきたいというふうに思っております。技術的な指導と、そういう資材といいますか、その提供というようなことは、しっかりやっていきたいと思っております。 それから、要援護者の避難についてのお尋ねがございました。 要援護者の支援者の確保でありますが、必ずその人と1対1で向き合っているというわけではありませんので、なるべく複数の支援者の登録をお願いしておりますが、どうしても複数の登録ができない方もおられるのが実態であります。そういう意味では、十分な支援体制かと言われれば、望ましいレベルには、望ましいというか、本当にこうあったらという理想的なところまではいっていないのかもしれません。1人の支援者が複数の要援護者を担当するというようなことも十分あるわけであります。 しかし、十二分ではないわけでありますけれども、これからも十分になるように努力はしてまいりますが、ただ、一定の支援体制がこのことによって構築されていることは事実でありますので、これからも充実確保しながらでありますが、この支援者の確保、登録、そうようなことを引き続き努めていきたいと思っております。 それから、福祉避難所についての御提案がありました。 福祉避難所、ぜひ必要なものだというふうに思っております。そういうような概念が出てきておりますので、そういうことでは、一つはやはりコミュニティセンターがいろんな設備なども整っておりますんで、一つ候補として挙げられるというふうに思っております。 ただ、市の施設だけでは大規模災害のときに対応できないということも考えられますので、民間の社会福祉施設に協力を要請することも必要な場合も出てくるのではないかと思っております。 いずれにせよ、大変申しわけないことではありますが、地域福祉計画などについて、福祉避難所の明確な位置づけをまだ本市でしてございませんので、なるべく早く位置づけるように努力していきたいと思っております。 それから、ボランティアの受け入れ体制でありますが、ボランティアの受け入れ体制について本市では、まず市が必要と認めたときに社会福祉協議会に対しボランティア現地本部の設置を要請します。要請した上で、社協のほうでボランティアの受け入れや割り振りなどの仕事を担当していただくということになってございます。もちろん、市が任せっ切りという意味ではなくて、しっかり協力もいたしますけれども、社会福祉協議会からも一定の力を出していただく、力をお借りするという意味で、こういうような対応をさせていただいております。 社会福祉協議会としても、この災害ボランティアの受け入れというような業務、そしてボランティアの現地本部の役割ということの大切さを深く認識していただき、これまでもさまざまな研修に参加していただいております。直近では、この7月に新潟中越沖地震を体験した柏崎市の社会福祉協議会の担当者をお招きして、先進事例の研修をさせていただいたというような状況にあります。 それから、各防災センターにある資機材の管理、特に期限切れというような資機材もあるようだがという御指摘がございました。 この資機材の管理については、市役所の担当課はもちろん危機管理室ということになるわけでありますが、日常の維持管理についてはコミュニティ振興会にお願いしているところであります。コミュニティ振興会のほうでも、先ほどきれいに整頓してあったという話でありましたので、しっかり管理していただいているというふうになってございます。 期限切れということについて、こういうことがあってはよくないことでございます。すべてを市のほうでチェックするというのもなかなか難しい点もあると思いますが、ただ、コミュニティ振興会に一定の協力をお願いしながら、定期的にチェックする体制を組むなど、管理はコミュニティ振興会にお願いしますというお願いしっ放しではなくて、市としても、日常的にといいますか、定期的にチェックするというような体制も考えていかなければならないというふうに思っております。 もし、そういうようなものがあれば、早速市のほうで交換するというような対応をさせていただきたいと思っております。 それから、子宮頸がんワクチンについてのお尋ねがございました。 全国でこの子宮頸がんワクチンの公費助成に取り組む自治体が多くなってきておりますし、また子宮頸がんワクチンに対する理解が進んでいるということで、国のほうで概算要求に盛り込む決定をされたということは、まことに喜ばしいことだと思います。ぜひ、その有効性は実証されているわけですので、予算がそのように成立することを心から願っているところであります。 国の支援があったとしても、その有無にかかわらず、6月議会で阿部議員にお答えしたとおり、新年度からでも子宮頸がんワクチンの公費助成に踏み切りたいというふうに私は思っておりました。そういう意味では、予算が通ることは願いますが、予算が通らなかったらやらないというのではなくて、予算が通らなくても単独でもやるというぐらいの覚悟で、子宮頸がんワクチンの公費助成については取り組んでいきたいというふうに思っております。 ただ、この補助を受けたほうがもちろんいいことは間違いありませんので、補助制度の動向などについてしっかり見守りながらでありますが、公費助成について踏み切っていくような方向で検討したいと思います。公費助成をするとしても、実際一定の体制が必要なわけでございます。これから公費助成をするということを前提にしながら、医師会でありますとか保健所、教育委員会などとの協議、検討を重ねていきたいというふうに思っております。 それから、こういうワクチンと同様に検診が大事だという御指摘、まことにごもっともでございます、そのとおりでございます。 ちょっと経緯を御説明させていただきますと、平成17年度までは、昔、公民館地区と言っておりますけれども、その地域を対象に子宮頸がんの検診車を出して検診を実施してきたところであります。 それを出さなくなったという理由は、一つは検診車である場合には1日当たりの対応可能人数が30人までであります。それから、女性特有のがんとしてはもう一つ、相当程度の数がある乳がんのマンモグラフィー検診、これが同時にできないのであります、検診車としては。そういうようなことを考えて、そういう意味では不便、再度マンモグラフィー検診をしてもらうとすると、別の日に来ていただくというようなことが必要になるわけでありますので、そこで、平成18年度からなんですが、庄内検診センターでの施設検診に統合させていただいているところであります。 この結果、1日当たりの受診数も倍の60名になりましたし、乳がんのマンモグラフィー検診との同時検診も可能となっております。また、女性のプライバシーの確保のために女性専用のホールを設けたり、それから旧公民館地区の皆さんに検診で伺っていたことを考え、送迎バス、遠隔地の方については送迎バスを出すなどの対応もしているところであります。そういうようなことですので、今後もこういう体制の充実を図っていきたいというふうに思っております。 また、検診曜日などについてでありますが、可能な限り受けやすいような曜日設定ということは、そうしていきたいと思いますが、体制の問題がありますので、どういうような形で実施できるかということについて、検診センターなどと、御指摘がございましたので、協議してみたいというふうに考えております。 以上であります。 (石川翼久教育長 登壇) ◎石川翼久教育長 それでは、私のほうから、最初に、この前の松山で行われました防災訓練においての中学生の参加のことにかかわり、学校での防災教育の現状ということについてのお尋ねがありましたので、お答えさせていただきたいと思います。 児童・生徒の安全確保という観点、安全教育の一つとして、各学校では年に数回以上防災訓練、また避難訓練を行っております。ただ、それも主に火災とか地震というふうになっておりますけれども、学校によりましては、立地条件で、洪水のこと、暴風雪のこと、そんなことも考えながら、災害に応じた行動の仕方を身につけ、避難できるようにという指導を年間計画の中でやってはおります。 ただ、一つ課題として、議員からも御指摘ありましたように、中学生の場合を見てみますと、中学生になれば自分の安全だけでなくて他の人の安全にも気を配るという、そういうことができる年齢というふうに私は思っていますが、まだまだ学校では、学校のこと、そして家庭のことということがやや重きかなと。地域で何か災害があったら、やはり地域全体にかかわることですので、地域にどうかかわっていくかということは、これから各学校での課題というふうに私もとらえております。 中学生が例えばできることといえば、大きな地震があったときは避難生活を余儀なくされることがあるわけですが、そういうときには、幼子やお年寄りなどの面倒を見たり、または炊き出しの手伝いとか、またけがをされた方の応急手当、そういうことに手助けをする、そしてそれが地域の一員として自分にできることということを判断していく、そういう力を育てていきたいというふうに考えております。それは、各教科の授業の中でも指導ができることでもありますし、ともに助け合う気持ちを大切にということは、それが将来ボランティア活動につながっていくということが望ましいんだというふうに思っております。 ただ、この前の防災訓練のときには、当該の中学校でもう既に年間計画の中に活動計画が予定されていたということもありましたので、なかなか参加しにくかったということもあります。中学生が特に地域の一員としていろんなそういう防災、避難、いろんなことを考えるときに、今回行われましたような酒田市の総合防災訓練とか、地域の防災訓練に参加するということは、大変大切なことであると思っておりますので、これからも各学校の教育活動に支障のないように工夫しながら、市長部局のほうとも改めて連携しまして、多くの生徒たちが参加できるように、そんな体制をこれから考えていきたいと思います。学校と相談させてください。 次に、子宮頸がんのワクチンの接種にかかわり、性教育を含めてのお尋ねがありました。 本市では、命を大切に、健やかな体と心を持つ人をはぐくむという、そういう教育目標に基づきまして、それぞれの学校、これも議員からありましたけれども、年代、発達状態によって、いろんな全体計画をつくっております。特に高学年あたりになりますと、第二次性徴、それから生命誕生の仕組み、あとは具体的にはエイズのことなどを学んでおりますが、その中でもとにかく男女互いに尊重し合うんだということ、性に関する情報等への適切な対応ということも理解ができるように配慮しております。 中学校では、ただ、体の成長に伴い妊娠ということが可能になる、そんな年代にもありますので、性感染の予防なども含めながら、性について、ただいま申し上げましたように、理性によって行動のコントロールができる、そういうことも重要になってくる時期でありますので、個別指導の内容については慎重を期しますし、また助産師などを招いて講話を行うなど、集団指導の内容についても工夫を各学校でしております。 ただ、この子宮頸がんについては、まだまだ指導の計画の中に位置づけられていないというのが現状であります。今後の課題になるんだろうというふうに思いますが、児童・生徒の発達段階、特に受容能力ということがこの性に関しては大切なことだというふうに思いますので、十分配慮しながら、性に関する学習と関連させながら、病気の予防、こういうことの観点から保健学習の中で位置づけていきたいというふうに思っております。 そのためにも、このワクチンの接種に当りましては、御指摘のように、医師会等との専門機関との連携というのは大事ですが、その前にやはり保護者との十分な理解、そういうことを得てから、児童・生徒の命を守るこのワクチンの接種の重要性について、お互いにもう少しフリーに話し合える、そんな環境も学校には必要だなというふうに思っております。 (高橋清貴総務部付消防調整監 登壇) ◎高橋清貴総務部付消防調整監 私からは、消防団員について御答弁申し上げます。 3点にわたってお尋ねいただきました。 最初に、職業についてということで、自営業、農業従事者の割合についてということでございますが、消防団員は現在2,138名の実員となっているわけでございますが、そのうち自営業または農業に従事している方は387名で、全体の約20%というのが実態でございます。 次に、女性消防団員の構成、募集内容ということで、人数、年齢、入団要件、役割等々でございましたが、飛島を除く女性の消防団員、現在の実員は33名ということでございます。平均年齢でいきますと、35.9歳というのが実情でございます。 それから、入団の要件でございますが、これは条例に定めがございますが、一つには本市在住で18歳以上、二つ目が精神的にも身体的にも任務にたえられる方ということで、こうした条件を満たしておれば、どなたでも入団が可能でございます。 それから、募集方法でありますが、これは平成19年に発足しておりますが、発足前には市の広報で募集いたしておりますが、その後は各分団からの推薦を受けた方々が入団されている、こういう現状でございます。 次に役割でございます。女性消防団は各地域の分団には属しておりませんで、団本部に所属しているわけでございます。そしてその中で、防火活動、あるいは防火広報、各種訓練、行事への参加、それから消防団のPR活動などを行っていると、こういう現状でございます。 3点目に、女性消防団員の将来像ということでございますが、御案内のように、全国的に見ましても、常備消防において女性消防士、消火、救急活動を実際に行っているわけでございますし、また議員言われますように、飛島の女性消防団、現に1世紀もの間消火活動に携わって頑張ってこられた、こういう実績もあるわけでございます。今後、人口減少、あるいは高齢化というような状況が進展した場合、男性だけでは対応ができない、こんな事態も想定されますので、実際に現場で活動できる女性団員の育成ということも大変に重要な課題であると考えているところでございます。 なお、来年度から山形県の消防学校で新たに女性消防団の研修が開始されますので、そこへの入校ということについても検討しているところでございます。 以上でございます。 ◆8番(阿部ひとみ議員) ただいま大変御丁寧なお答えをいただきまして、本当にありがとうございます。 それでは、2問目の質問をさせていただきます。 まず、防災への取り組みについてですが、やはりリーダーを育成した、その市民力が最大限に発揮できる体制が本当に重要であると再確認しているところです。 そして、さらに、先ほど市長からもありましたが、宿泊体験、リーダー研修、もちろんこれは大事ということで、聞くところによりますと、先ほど市長のお話の中にもあったのでしょうか、自治会の訓練の中に小学生が加わったというお話も聞いております。子供たちの防災意識を高めること、また地域防災力の担い手育成につながるものと考えますので、今後また先ほどおっしゃられた宿泊体験、及びこのような子供たちが一緒になって体験できるような訓練、こちらのほうをまた指導されるようなお考えはありますでしょうか、お聞きしたいと思います。 また、防災教育についてですけれども、やはり教育長がおっしゃいますように、地域とのかかわり、大変大切なことだと思います。また来年度は酒田三中が会場ということで総合防災訓練が予定されているようですけれども、ぜひ先ほどおっしゃいましたように、学校との連携を図っていただいて、身を守る意識の大切さを私たちからも伝えたいと考えますので、ぜひ御協議いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 それから、先ほど災害時要援護者支援事業について答弁いただきまして、やはり1人に対して複数の支援者が必要かと思われます。本市は福祉が大変進んでいると感じておりますが、やはりこの点でもってもう少し拡大されるようにお願いしたいことと、それからまた対象者、台帳を記入してということになりますが、このリストに対しての個人情報保護の部分はどのような方式がとられているのでしょうか、お聞きしたいと思います。 それから、次に、防災資機材についてですけれども、先ほど市長から、危機管理室での管理というお答えもありましたが、やはりコミュニティ振興会とのやりとりをきちっと行っていただいて、早急に対応をお願いしたいと思いますし、現在での画一的なものの必要性というのは大変重要だと思いますが、長期にわたっての避難生活を考えますと、やはり大変細かいことになりますが、アルファ米やレトルト食品や紙コップ、紙皿、カセットコンロなども必要ではないかなと感じております。ほかの自治体では、粉ミルクや哺乳びん、また紙おむつまで備品として用意されているところもありますので、このような物資についてはどのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。 また、移動式炊飯装置ということで先ほどお話したんですけれども、実際にこれを炊いてお召し上がりになったことはございますでしょうか。聞くところによりますと、芯が残る、俗に言うめっこ御飯というものができていまして、なかなかちょっと食べられないというような情報もいただいておりますけれども、そのあたりの今後の検討ということで、何かお考えはありますでしょうか、お伺いしたいと思います。 次に、消防団員の件ですけれども、本市も消防団員が条例定数には達していないというようなお話でしたけれども、ある調査で、人口1,000人当たりの消防団員数が、鶴岡市が23人で全国で2位ということで、酒田市は18人で7位に入っておりました。 しかし、実際問題としましては、やはり先ほどのお答えの中にありましたように、団員の中で即時対応可能な方というのは、ほぼ5分の1ということで考えられると思います。人数不足で出動できない場合もあると考えられますので、となれば、やはり女性消防団に大きく期待したい中で、現在33名ということですけれども、今後の増員のお考えはありますでしょうか。 また、女性消防団の平均年齢が35.9歳ということで、大変輝ける年代の女性でもありますので、この間それで皆さんもごらんになったかと思いますけれども、出初式での女性のはしごの演技を私も拝見させていただきましたが、大変気迫に満ちておりまして、とても感動いたしました。私はちょっと無理ですので、ぜひ彼女らの努力と活躍に心より敬意を表したいと思っております。 先ほどのお答えから、来年度からの消防学校での研修ということでしたけれども、まだカリキュラムが決定されていないのではないかなと思いますので、まず女性消防団員が現在の広報やPRのみではなくて、実際に現場で活躍されるような研修にしていただくように要望していただくことは可能なものでしょうか、お尋ねいたします。 それから、最後に、子宮頸がんワクチンについてですけれども、実は私は思いがけず市長から大変前向きなお答えをいただきまして驚いているところなんですけれども、先日、全国に先駆けて接種費用を全額公費助成を打ち出しておりました、もう既に接種を開始しております魚沼市の市議会議員とお話しすることがありまして、医師会の積極的な協力をいただきながら、生徒と保護者と、また教育委員会と教育関係者、行政、すべての方がかかわって、同席での丁寧な説明会を経て、それで任意でのワクチン接種だったんですけれども、現在は6割を超える接種率になっているとのことですので、このワクチンをきっかけに若い世代の検診受診率アップも期待できると思いますので、ぜひまた前向きな方向で考えていただきたいと思いますし、御所見をお伺いしたいと思います。 これで2問目の質問を終わります。 ◎阿部雅治総務部行政調整監兼総務課長 最初に、防災リーダーの関係でございまして、自治会の訓練という中で、宿泊体験も御指導いただける、あるいは小学校も加わった形でというお話がありましたけれども、自治会の訓練の内容については、各自治会で状況が違うということもありまして、私ども、あるいは消防が相談に乗りながら訓練の内容を進めているということでございます。その中で、今言ったような形についても、ぜひお話をしながら、できるところはやっていきたいなということで考えてございます。 それから、学校との連携ということでございますけれども、これについては、当然ながら来年度は十分連携を取りながらやっていきたいなということでございます。 それから、防災資機材の関係でございまして、防災資機材については、現在は家庭での役割、あるいは自治会の役割、コミセンの役割、行政の役割というようなことで、役割を決めながら資機材をそれぞれ調達するような形になってございますけれども、食料品についてはぜひ家庭によって3日間ぐらいのものについては持っていただきたいなというようなこととか、いろんな内容によって指導していきたいなということでございます。 その中で、移動式炊飯装置、これは私もお聞きしましたけれども、かなりの人数のものだというようなことで、めっこ御飯ができてしまったというようなことでございましたけれども、この辺についてはぜひ、余り使うことはないんだと思いますけれども、少し練習していただくということも含めて、現在はこういう形のものは支給していない状況でございまして、炊飯釜といいますか、そういうものについて支給しているということでございますので、今まだあるものでございますので、ぜひ御活用いただければということで考えてございます。 以上でございます。 ◎阿部直善健康福祉部長 まず、要援護者に対する複数の支援者の確保につきましては、当然、要援護者の方も支援者の方も移動もございますので、そういう台帳更新のときはもちろんですけれども、いろんな機会をとらえて自治会等のほうにお願いしていきたいというふうに思っております。 それから、個人情報の取り扱いですけれども、まず要援護者ということで登録していただく際には、御本人から御自身の情報を自治会なり民生委員、あるいはコミュニティ振興会のほうに提供するということについて、承諾いただくということでやっております。災害時には、もちろん消防とか警察とか、そういった関係機関にも提供しますということの承諾をいただいております。 逆に、コミュニティ振興会なり自治会なりは、その名簿を管理するという立場になるわけですけれども、そちらのほうは、コミュニティ振興会につきましては個人情報保護の協定を結び、また自治会長からは、きちんとそういったことを守りますということで、誓約書をいただいているという状況でございます。このようなことで、プライバシー、個人情報については守られているというふうに理解しております。 ◎高橋清貴総務部付消防調整監 女性消防団員の増員についてというお尋ねでございました。 全国的に人口減少社会が到来しているわけでございまして、そういったことを踏まえて、国においても消防団員全体の約10%については女性消防団で充足するといったような、そういう目標を掲げているところでございます。 本市におきましても、現在は団本部に所属しているわけでありますが、やはり将来的に見た場合は、地域の各分団に所属していただいて、そして現場の活動を一部担っていただくというようなことは、当然必要だろうというふうに考えておりますので、そうした将来的な目標を踏まえて、今後とも取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 それから、2点目の消防学校に対するカリキュラムということでありますが、これは、言われますように、まだ具体的な内容が決まっておりませんので、単なるソフト事業ということではなくて、やはり実践を意識した、実践にある程度即応できるような、そうした女性消防団員育成ができるような、そんな内容になるように要請はしてまいりたいと考えるものでございます。 ◎齋藤勉健康福祉部地域医療調整監兼健康課長 それでは、私のほうから子宮頸がんワクチンについてお答えいたします。 議員のほうから魚沼市の例もありましたが、魚沼市も初めてのことで、試行錯誤しながら60%まで伸ばしていったようです。最初は学校の先生方の勉強会だとか後援会、それからPTAなどに出かけるなど説明をいたしましたが、なかなかワクチン接種率が上がらなかったようです。その辺で、学校、それから医師会等といろんな相談しながら、公開講座を開くなど丁寧な説明をした結果、現在60%まで上がっているという状況であるようです。 そういう意味で、来年度から実施するに当たって、学校だとか教育委員会だとか医師会とかと相談しながら実施していきたいと考えております。 ◆8番(阿部ひとみ議員) それでは、3問目の質問をさせていただきます。 ただいま、本当にどなたからも大変前向きな御答弁をいただいて、本当に大変ありがとうございます。大変うれしく思っております。 先ほどの要援護者リストについての個人情報の部分でも大変クリアされているということで、地域の自主防災組織やら自治会とも共有されていらっしゃるということで、今後もそのように連携を取っていただいて、さらに支援者の拡大のほうに向けていただきたい、そのように思っております。 それから、本市のホームページの中には、防災緊急情報という欄がございますけれども、災害時には大変アクセス数が多くなると予想されておりますが、災害時のバージョンというか、あるいは携帯メールなどのシステムとかはお考えになっていられるのでしょうか。体が動きにくいとか、言葉が通じないといったような状況の中の方もいらっしゃると思いますので、その不安をなるべく減らすというためにも、迅速に情報を提供しなければならないのではないかなと考えております。それが災害時要援護者の支援とか安否確認にも活用できるのではないかなと考えますので、いかがでしょうか。 現在、私はツイッターでもってのアースクエイク情報をフォローしておりますけれども、そのようなコミュニティネットワークを利用するような計画はございますでしょうか、お伺いいたします。 それから、子宮頸がんワクチン接種については、来年度からという大変頼もしいお答えをいただきまして、本当にありがとうございます。ぜひ女性の命を守る、男性の方にも、皆さんにもかかわることですので、ぜひ酒田市を挙げて取り組んでいただきたい、そう思っております。 最後になりますけれども、酒田市総合防災訓練でもって、最後の櫻田消防署長の講評でもって、自助、共助、公助の訓練の中で、3分、3時間、3日間の行動が重要であるというお話をいただきましたけれども、当たり前の生活が崩壊したときにあわてないような方策を、行政だけでなく、私たちからも市民の皆さんに働きかけていくということが大事だということを確信しておりまして、皆さんからもしっかりと認識していただくためにも、ここに署長がいらっしゃいますので、ぜひこの場で啓発を働きかけていただいて、これでもって私からの一般質問を終了させていただきたいと思います。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 ◎阿部雅治総務部行政調整監兼総務課長 災害時の情報提供ということは、一番大事なことだということで考えてございます。昨年ホームページをバージョンアップしましたけれども、その中で防災緊急情報というのを1番目に上げて、情報が流れるようにということで改定したというようなこともございます。 ただ、今議員おっしゃるような、全体的に情報が流れるような携帯なんかも使いながらというものについては、実はまだ検討しておりませんので、どういうことができるのか早急に対応したいということで考えてございます。 ◎櫻田常夫総務部付消防調整監 議員が質問の中で申し上げました、災害時を想定したストーリーをつくって訓練に当たるということは、そのとおりだというふうに思います。 実際の災害時では、やはり自助、共助、公助がやはりうまく絡み合って初めて生き延びられるということにつながっている現状がございます。 そういった意味で、まず最初にしなければならないことは、まず本人の自助、自分の命を守る、そして家族の安否を確認する。それから、できたら隣近所のおじいちゃん、おばあちゃん、あるいはひとり暮らしの人たちの安否を確認すると。それで、もし家屋に埋もれていた状況であれば、当然そこで共助として、お互い声を大きくして、ほかの人たちも呼びかけまして救助に当たるといったようなことが、阪神淡路大震災ではほぼ8割程度がそういうことをやって救助しております。 それから、72時間どうやって暮らしていくかということにつきましては、先ほども言っておりますけれども、夜間宿泊訓練、これは当然必要になってくるわけでございますので、そういったところでの訓練を通じて、いざ災害時に対応できるような地域住民にしていくということがあって、初めて公的な機関が援助にやってくる、救助にやってくるという流れでございますので、ぜひそういった訓練の一連の流れを酒田市でも訓練を取り入れてやっていくことがやはり災害を少なくする、被害者を少なくすることにつながってくるだろうというふうに考えますんで、ぜひ今後とも、そういった訓練は市のほうでも検討するということでございますんで、ぜひ消防としても訓練に当たっていきたいというふうに考えております。 ----------------------- △佐藤猛議員質問 ○富樫幸宏議長 次に進みます。 6番、佐藤猛議員。 (6番 佐藤 猛議員 登壇) ◆6番(佐藤猛議員) では、私のほうからも通告の順に従いまして一般質問を行います。 経済産業省では、今回の急激な円高を受けて、1ドル84円台に入った先月ですけれども、8月11日から24日まで全国200社を対象に緊急なアンケートを実施し、公表いたしました。 それによりますと、最近の円高で当初見込みに比べて利益が減少すると回答した企業が65%に達して、1ドルが90円前後で推移していた場合、5月の前回調査のときは16%でしたけれども、わずか3カ月で4倍にも膨れ上がっております。このうち、深刻な減益に陥ると答えたのは、何と14%に上るものでありました。 さらに、このたびの調査では、1ドルが85円台の水準で推移した場合の今後の対応について、複数回答で設問してあります。そうしたところ、39%、約4割の会社が生産や開発拠点を海外に移すと回答しております。移すとまでいかなくとも、海外での生産割合を引き上げざるを得ないと答えた企業も6割に上り、産業の空洞化の懸念が今再び高まっているという実態が明らかになりました。 また、同じ調査で、下請企業を含む中小企業98社に対する聞き取り調査では、現在の円高水準のもとでは、これは1ドル85円台ですけれども、約5割の企業が減益になっていると回答しております。同様の円高水準が継続した場合、73%が減益になると答えております。このうち、下請中小企業では約8割強の企業が減益になると回答、急激な円高が中小下請企業の経営を圧迫し、深刻な影響を及ぼすことが改めて示されております。 輸出製造企業を中心にした102社の調査でも、これは卸小売、非製造業、全部含みますけれども、最近の円高で当初見込みに比べて利益が減少すると回答した企業が、これもまた65%に達しております。 大企業による円高減益を理由にした一層の下請や労働者へのしわ寄せが現在懸念されております。 本市においても、円高の影響を受ける企業は少なくないものと思います。これらの影響について、当市としてどのように把握されているのでしょうか、お伺いいたします。また、こういう問題に対して、現在考えられている対策があれば、お答えいただきたいと存じます。 次に、本市の特色を生かした起業についてお伺いいたします。 公益を学ぶ国内唯一の大学を擁し、高い文化性や港町としての特徴を持つ酒田は、視点を変えれば、極めて特色ある町であると思っております。本市を訪ねる国内外のお客様は、これらの特徴に加え、豊かな食文化も兼ね合わせたその優位性に驚かれる方も多いのであります。時代の変遷を経ながらも、今でもきらりと光るすばらしい町であると思っております。 企業誘致ももちろん必要ですし、活動は今後も強く続けていくべきだと思いますが、このすばらしい天地酒田に生まれ育った方、またさまざまな御縁で本市に来られた方などが酒田市の特徴を生かした起業をできないものか、会社を起こせないものか、それらへの取り組みについてお伺いをしたいと存じます。 さらに、若者の働く場の支援についてお伺いいたします。 苦労して進学をさせ、親子ともども頑張って卒業、いよいよ地元に帰り生まれ育ったところで働きたい、そんな若者がふえております。しかし、今の酒田の現状では実に厳しい状況にあることも皆様御承知のとおりであります。少子化のため、ただでさえ地元に残ったり、大学や専門学校を卒業して酒田に帰ってくる若者は少ないのに、近年、そういったことにさらに拍車がかかったと言わざるを得ません。若者が定着しないことはそのまちの未来が消えていくということであります。 確かに国全体で見ても、今春就職先が決まらないまま大学また高校を卒業した若者は推計8万人に上ると言われております。現在、そういった方々の職探しが続いております。まさに就職氷河期の再来と言える事態ではありますが、本市の場合もっともっと深刻なものであると私は思っております。 そこで、伺いますが、現在、本市における高卒及び大卒の方の未就労者の現状と、関係機関などと連携をとりながら進めている若者への支援策はいかなるものかお尋ねをいたします。 続いて、社会基盤の老朽化について、以下3点お伺いいたします。 95年の阪神・淡路大地震、それに中国四川省での大地震など連続して経験した我が国は、これらへの対策として学校など教育関連の耐震診断を積極的に行い、耐震工事も国庫補助をふやし、地方自治体の負担を軽減しながら現在進めているところでございます。 このような施策はもちろん必要なわけでございますが、あわせて今あらゆる自治体で懸念されている問題は、建設後数十年もの時間がたった公共の施設の問題であります。急速な人口減少と高齢化は、厳しい財政運営や年金運用の困難さを我々に突きつけております。さらに、道路や上下水道、橋梁、建築物などの老朽化があわせて進んでおります。これらの施設が財源不足のためになかなか改修が進まないために、都市機能が低下をしているという懸念が多く寄せられております。 これら社会基盤の多くは、1950年代後半からの高度経済成長期時代に一気に整備が進められてまいりました。本市においても、主要な社会基盤はこの時代を期に急速に進められたものと思っております。今後、耐用年数を超えるものが急増することが心配されております。当然、必要なインフラは新たに更新をするか補修を加えて維持していくことが求められてまいります。しかし、それは一方、そのまま管理者側である国や県、市町村の財政に直接はね返ってくるわけでございます。 国土交通省によりますと、建設から50年以上が経過した社会基盤の割合は、2029年度に道路、橋の約51%、水門などの河川管理施設のこれまた51%、港湾、岸壁の約48%と全体の半数に及ぶことが明らかになっています。このため、今後50年間で必要な費用は、これは国交省試算でありますけれども、約90兆円に上るとされ、このうち30兆円が予算不足に陥ると見込まれております。具体的に申し上げますと、2037年度以降は公共事業予算が賄えなくなり、耐用年数が過ぎた橋や道路がそのまま放置される危険性が生じるということが危惧されております。 これに対し国交省は、既に先進的な自治体で行われている社会基盤の長寿命化の取り組みを全国的に実施したならば、現在約30兆円と見込まれている予算不足分を6兆円にまで圧縮できるとしております。しかし、実際の橋梁の長寿命化修繕計画の策定率、全国的に見た場合ですけれども、2008年度で約41%にすぎませんし、河川管理施設では15%、港湾施設では13%と、まだまだ低い水準にとどまっているのが実態でございます。 また、08年度における全国の小中学校では、築後30年以上経過しているものが45.4%、20年から29年経過しているものが33.3%であり、これまた老朽化が進んでおります。一般的な学校などの鉄筋コンクリートづくりにおける減価償却資産としての耐用年数は47年であり、今後30年間に全国の小中学校の約8割が耐用年数を迎えることになっております。良好な教育施設を維持していくためにはかなりの財政的な負担がかかってくるということが予想されます。 そこで、お伺いしますが、本市においても橋梁の長寿命化修繕計画を策定中と承知しておりますけれども、現況と公共施設の維持や更新にかかる費用を今後どれほど見込まれ、その財源についてのお考えをお伺いいたしたいと存じます。 先進的な自治体では、公共インフラを効率よく管理し、低コストで維持、補修、新築していく公共施設のアセットマネジメントという概念が導入されて、長寿命化への取り組みも既に始まっております。計画的に建物を管理し、改築、改修を行うことで経費の抑制と平準化につながるという手法でございます。道路とか橋梁とか、もちろん建造物などの施設をすべて資産としてとらえ、中長期的な視点に立って予算を把握し、その市の将来の人口や財政なども含めた対応をしようというものでございます。アセットマネジメントという概念についての本市の考え方についてお伺いをいたします。 これまで申し上げてきたアセットマネジメントを行う意味で欠かせないのが、固定資産台帳の整備をして、そして公共施設白書を作成することであります。かつて私は本会議場において施設白書の作成の必要を提案いたしましたけれども、ただいまお話しした概念を実効性あるものにするためにも不可欠であると考えます。この点についての本市の考え方についてお伺いいたします。 最後に、本市の空き家対策についてお伺いいたします。 さきの一般会計の決算委員会でも議論となりました本市の経済状況や人口動態については、御案内のとおり大変厳しい現状にあります。5年前、多くの議論の末行政合併した目的は、市長が言われる最大の行政改革という意味では一定の効果があったものと思います。集中改革プランの報告を待つまでもなく、議員、職員の削減や民営化への移行は目に見える形で市民の皆様に報告できるものになっていると思います。まだまだ改革は道半ばで、一層の努力は必要であることは当然ですし、さらなる決意で向かっていただきたいと思います。 その一方、合併後、本市の状況を市民目線で見た場合、発展をしているとかにぎやかになったという言葉はほとんど聞こえてまいりません。むしろ厳しい御指摘のほうがはるかに多く聞かれます。その話の1つが、人口の減少に伴う本市の空き家問題であります。旧市内だけではなく、全市にわたり課題になっているものと存じます。本市の現状と課題についてお伺いをいたします。 近年、これらの課題に対応しようとさまざまな動きが出始めております。兵庫県佐用町では、このほど町内の空き家を有効活用するため同町内にある約800軒の空き家の実態調査を行いました。調査の結果、同町にある空き家のうち300軒は何らかの対策をとらなければ利用は難しいものの、500軒は比較的いい状態であるという結果でございました。同町は今後、こうした結果を踏まえた上で、都市部からの人口誘致や土日曜日などを農業などで過ごす定年者向けの住宅、公共施設への利用などに活用していくと、こういう予定であると聞いております。 空き家はまた、邪魔な木の伐採から害虫の駆除、また非行の温床になったり、古い屋根がわらが通学路に落ちそうなものの手がつけられない状況にもございます。しかし、役所に言っても持ち主に行政指導するだけで、行政みずからが直接手を出すことはなかなかできません。相談内容によっては所管する部署が異なり、相談者は役所の中をたらい回しされたとの声も少なくありません。 このようなことから、空き家の適正管理に関する条例などが策定される例が出始めております。当局の御所見をお伺いいたします。 関連の最後として、この空き家問題に対して国としても新たな施策を現在行おうとしております。一定の規模の自治体に交付金を出し、それぞれ地域に合った課題を解決しようというものでございます。今般、社会資本整備総合交付金が予定されているようですが、残念ながら本市はその該当にはなってはおりません。しかしながら、これら新たな政策へ積極的にかかわっていく、国がこういう方向にあるということについて本市としても積極的にかかわる必要があるのではないかというふうに考えております。 以上、本市の取り組みについて、1問目といたします。 (阿部寿一市長 登壇) ◎阿部寿一市長 佐藤議員の御質問にお答え申し上げます。 社会基盤の老朽化についての幾つかのお尋ねがございました。 本市では、例えば老朽化が著しくなるまで待ってから大規模修繕をするというのではなくて、延命のために今経費を投入しておいたらいいものは積極的に投入するということで施設の良好な維持管理を維持してきたつもりでございます。そのような経費でありますが、大規模修繕などをすれば大きく予算はかかりますけれども、平年でもこのような維持、補修にかかる経費だけでも約5億円を計上しながらやっていっているところであります。 また、同時に、議員からも御指摘がありましたけれども、橋梁などについては耐震化とか長寿命化のための調査、そして計画づくりということもやっております。それから水道についても、水道の老朽管の更新というようなことを計画的に進めるということをやってございますし、また、新たな概念として耐震化ということが出てきておりますので、耐震化にあわせて施設の機能向上とか老朽度が著しいところを更新していくとかということもやってきております。 また、先ごろの景気対策によって農業生産施設の長寿命化対策の補助金なども受け入れながら延命化を図っているというようなことなど、それぞれの分野ごとになっております。そういう意味では縦割りというような感じになるのかもしれませんが、長寿命化については意を用いてきたつもりであります。 今申し上げたようなものの経費のトータルが今後必要となる経費ということになるわけでありますが、今5億円程度ということを申し上げましたけれども、これは一般会計での5億円程度でありまして、すべて合わせるとこれはもう少し多くなるし、今数字は持っておりませんけれども、今後またこういうような一定の経費をかけながらも、徐々に大きくなるというような傾向にあるのではないかというふうなことを懸念しております。 それが人口が大きく延びる中での維持管理経費の上昇であればともかく、そうでない場合は、基本的には負担がふえていくということになりますので、それを軽減するためには何をするか、それは先ほど議員からお話がありましたアセットマネジメントというような概念を導入しながらやっていくしかないと私も思っております。 また同時に施設というのは、どんな小さな施設でも、あるものの維持管理経費というものを縮減するというのは一定の限界があるわけですので、具体的にどうこうというものが頭にあるわけではありませんが、必要性が極めて薄くなっている施設については廃止ということなども含めて、その遊休地についての利活用を促していくというようなことでの対応も、施設がある以上はどんなに維持管理費を削っても一定の限界が必ず来ますので、そこの統廃合とかということも考えていかなければならない課題だというふうに思っています。 さて、これらの経費でありますが、通常はすべて一般財源でありまして、それは市民の皆さんの税金で賄うということになります。ただ、平成21年度に限って言えば大変ありがたかったわけでありまして、国の経済対策の予算で、一般財源で出さなければならなかったものを相当程度対応させていただきました。景気対策にもなるし、施設の長寿命化対策にもなるということで相当程度の予算をつぎ込ませていただきました。 そのほか、大規模修繕については起債対象になるものもありますが、大規模修繕になればそのときの負担が非常に大きくなるわけであります。したがって、大規模改修などが必要な場合は、市民会館なんかもそうでありましたけれども、病院なんかもそうであります、基金の積み立てというようなことなども、活用というようなことも今後考えていかなければならない課題だと思っております。 アセットマネジメントでありますが、実は私は先日、下水道の関係のアセットマネジメントのお話を聞く機会がございました。アセットマネジメントという概念を導入する自治体がふえてきているし、このアセットマネジメントという手法を取り入れていくと、施設の機能をしっかり維持しながら安い経費で、投資は必要なわけですが、長期的な観点から見れば費用の低減を大幅にすることができるということでありますから、これからは欠くことのできない概念だというふうに思っております。 そこで、合併をした直後はやはり資産台帳といいますかそういうものも、実は公共施設の台帳なんかもないところもあったりして、そこの整備を急いでいかなければ、そこがなければ実はアセットマネジメントなんて言ったって別に言葉だけの遊びになってしまいますので、残念ながら。老朽化の耐震化の計画もやります、台帳もつくりますというようなことで、今基本的な条件整備のために一生懸命努力をしている、緊急雇用なども活用しながら努力をしているというような状況でございます。 こういうものが整備されてきたところで公共施設白書というような形になるのかどうかそれはお約束はできませんが、今、縦割りということを申し上げましたけれども、その縦割りのものも積み重ねながら、全体として一般財源などがどのように必要なのかという推計もでき、どの時点でどういう対応が必要なのかということも盛り込むことができるというふうに思いますので、そういうことができないか十分検討してみたいというふうに思います。 さて、最後に、空き家対策のうち条例の関係についてお話をさせていただきたいと思います。 例えば中心市街地にある住宅については、もう既に道路、公園、学校、下水道などの施設、公共基盤が整っているところでありますから、そのところが空洞化していくということは大変課題が大きい、投資の有効活用という中でも課題が大きいということで、中心市街地の居住誘導ということも積極的に進めてきました。市内でも、中心部でも空き家がかなり出てきておりますので、平成20年度から県と市で連携して空き家調査とか住民アンケート調査を進めています。 活用できる空き家ももちろんあるというふうに思いますので、実態を把握しどういう制度を組んだらいいのか、先進事例なども考えながらでありますが、そうした段階で不動産関係の業界の皆さんなどの協力も得ながら、その空き家の利活用というようなことができないかを考えていかなければならないというふうに思います。 さて、条例の制定でありますが、議員も御案内だと思うのでありますが、空き家のうち周辺環境というような形で問題となるような空き家は、不在地主と。例えば相続はしたもののこちらには住んでいないとかという方が実は多いというのが実態ではないかというふうに思います。そういう方に対して、本市にいない人に対して酒田市の条例を制定してどのような効果があるか、あるのだろうと思いますからそれは検証してみますが、やはり結果的には、こういう条例がありますから適切な対応をしてくださいよと個々に働きかけていくしか実はないのではないかというふうにちょっと想像するところであります。 先進自治体でそういう例があるということでありますので、十分勉強はさせていただきますが、今のところそのことについてちょっとよしあしの判断がつかないところでございますので、効果があるということであれば前向きに検討するということになろうかというふうに思います。 以上であります。 (小野直樹商工観光部長 登壇) ◎小野直樹商工観光部長 景気雇用対策についての御質問にお答え申し上げます。 まず最初に、円高による地元企業への影響と対策についてということでございます。 市内主要企業に聞き取りを行ったところでございますが、中央とのタイムラグというのがあるのだと思いますけれども、まだ円高の影響は顕著にはあらわれてきておらない状況ではございますが、しかし一部輸出関連企業では円高による影響が既に出始めており、このままの為替レートで推移をすれば為替差損による利益減少により深刻な影響を及ぼすというお話を伺っておるところです。 円高は輸出関連企業のみならず市経済全体に、さまざまな業種に大きな影響を与えるものと考えられますので、酒田市におきましては、影響を受ける具体的な企業数、従業員数など詳細な状況につきましては今後詳細に業況調査をしまして実態を把握していきたいと思っておるところでございます。 現在の円高が長引けば、世界不況から脱出できていない地域の中小企業に深刻な影響を及ぼすことが想定されます。したがって、商工会議所と情報交換を密にしながら、9月10日に閣議決定をされた新たな経済対策等も積極的に取り入れながら、一方では今現在でも利用可能でございますセーフティネットの保証制度、それから経営安定資金、それからその経営安定資金の利子補給の助成制度などを活用していただきながら、企業として必要な対策を講じてまいりたいと考えておるところでございます。 次に、本市の特色を生かした起業ということでございます。起業についてでございます。 今現在、我々が押さえております新規の起業件数ということを申し上げます。 まず、我々が直接今現在やっております中心商店街の空き店舗の改装助成、それから家賃補助がございますけれども、この制度を使いながら平成21年度は7件ほど開店しております。平成22年度は現在までで13件開店をしておる状況でございます。 それとまたあわせて、日本政策金融公庫酒田支店にお伺いしておるわけですが、創業関連の融資ということで、平成22年度当初から現在まで17件ほど融資をし、創業したと伺ってございます。 特色ということで申し上げますと、新たに開業される事業主の方は30歳代が多いと。また、本市の特色であります新鮮な農産物や海産物を生かした飲食業、それから全国展開をする量販店への食品卸売業を開業されるなどの例があると伺っております。それから、業種別の開業状況につきましては、小売業やサービス業が多くて、やはり初期投資の大きい製造業の開業は少ない状況であるということでございます。 それから、東北公益文科大学では、日本政策金融公庫との産学連携協定によりまして社会起業家育成研究会を発足しまして、さまざまな分野で一流講師を招いた講座が行われてございますが、酒田市において現在まで具体的な起業に結びついたという例はまだ把握しておらない状況でございます。 次に、若者の働く場の支援でございます。 今現在、平成21年度末に卒業した生徒、学生で未就労となっている状況についてお答え申し上げます。 高校生が4名、それから専門学校生が1名、それから大学生が15名というふうな状況になってございます。 それから、雇用支援についての具体的な制度でございます。 まず最初に、国の施策でございますけれども、雇用主に対するものということで、新卒者の体験雇用事業、これがございます。これは1カ月の体験雇用の機会を設けて、その後の正規雇用へ移行を促すという制度でございますが、これは1カ月で8万円の助成をするという制度でございます。それから、試行雇用奨励金というのがございまして、これはいわゆるトライアル雇用でございます。これは若者を対象にしまして一定期間雇用して適性を見きわめ、一般雇用へ移行を促すというものでございますが、これは最長3カ月で月4万円の助成ということです。 それから、就職する本人に対する支援ということで、未就職学生向け職業訓練の実習及び訓練、生活支援給付という制度がございまして、これにつきましては原則6カ月間の訓練と生活保障、月10万円でございますけれども、これが原則6カ月間やられると、こういう制度もございます。それから、新卒者就職応援プロジェクトというのがございまして、これは1日当たり3,500円から7,000円を実習生に支給すると、そして、6カ月間ではございますけれども長期間の職場実習、それから職場体験等を通して職を身につけていただくと、こういう制度でございます。 それから、酒田市の施策ではございますけれども、これは未就職高校卒業者の雇用促進助成金、これは今年度から新しくつくった制度でございまして、これは1年間雇用した場合に30万円を支給すると、こういう制度でございます。それから、若年無業者教育訓練助成事業、これは未就職の学生、35歳まででございますけれども、いろいろと技術を身につけるための研修をするために経費の80%、上限10万円ということで支給をする制度でございます。このような制度がございます。 以上でございます。 (加藤 裕市民部長 登壇) ◎加藤裕市民部長 それでは、空き家対策について、前段の現状と課題というお話がございましたので、私のほうからも御答弁を申し上げます。 現状のところでございますけれども、兵庫県佐用町の例などもお話しいただいて、酒田市の実態のことを考えてみますと、本市におきまして独自に空き家の調査を行ったことはございません。しかしながら、平成20年に実施されました住宅土地統計調査によりますと、本市の居住実態のない住宅といいますのは、総数では4万5,100軒ございますけれども、このうち5,980軒が居住実態がないというふうな統計結果になっております。その率は13.3%でございますが、ちなみにこの中に賃貸用の住宅も含まれておりますので、賃貸用の住宅を除きますと3,330軒というふうになりまして、率で見ますと7.3%に当たるものでございます。 今後、少子高齢化あるいは核家族化といったようなことを背景にいたしまして空き家というものは増加するんだろうというふうに思っていますけれども、その課題面で見てみますと、昨年度の市民相談、この件数は36件ほどだったんですが、内容で多いのが、庭木が大きくなって境界を越えているとか、それから庭の手入れが行き届いていなくて雑草が大きくなっている、あるいは建物の一部が老朽化して大変危険な状態になっていると、そんな相談がございましたので、こういった対応につきましては、現地を確認させていただいて、所有者それから管理をされている方々に連絡をとらせていただいて、草刈り、枝払い、家屋の修繕等に適正な管理をお願いしているということが実態でございますので、現時点では、その所有者にとにかく粘り強く理解を求めていく対応をとらざるを得ないというふうなことが課題になってございます。 以上でございます。 ◆6番(佐藤猛議員) 今、さまざま御答弁をいただきました。 順番でいきますけれども、まず本市の状態、今回円高に関連して少し伺ったわけですけれども、決算委員会で申し上げましたように非常に今本市を取り巻く状況は厳しいと。人口推移もそうです、1人当たりの所得もそうです。平成11年と平成19年を比べてみました。米沢は平成11年が267万円、平成19年が295万円ということでプラス28.4万円、鶴岡は241.7万円で同じ、何と酒田が平成11年が273.6万円だったのが251.1万円ということでマイナス22.5万円。 企業の倒産件数についても非常に厳しいということでございまして、今回、円高について今部長から御答弁ありましたけれども、まだまだ市内企業については影響が少ないと、こういうお話でございまして、私の資料はちょうだいしましたけれども、要はこの先なんです。 いただいた資料の企業さんはそれぞれ努力をしているところでありますし、一定規模のところでありますし、まだ円高の問題が顕著になって1カ月ちょっとですので、それほど大きな問題はないのかもしれないんですが、実はこの下請、孫請の企業の実態を僕はもっと早く押さえてほしかったんですよ。これから調べるのではなくて、調べに行ったらその会社にないなんていうことになっては間に合わないでしょうという話を私はしたいわけですよ。 ですから、そういった意味でもっと迅速に対応してほしい。もうレートが大体95円ぐらいで、高くても90円ぐらいということで予算を組んでいるのが85円、今回若干介入が入りましたから、きのうあたり戻しが入っているようですけれども、それにしてみても、これからずっと85円を基調にして上下するというのが普通の言い方なわけでしょう。そうなった場合、5人、10人の零細企業、孫請、その先の人たちは本当に大変な思いで今やっていますよという危機感を持ってほしかったんです。 ですから、そういった意味でこれについてもう一回しっかり調査をしていただきたいというお願いですので、どうかそれについての対応を改めて伺いたいと存じます。 それから、今回、政府の金融対策を受けてさまざまな政策がなっているようですけれども、マル景の融資制度についても当初9月いっぱいで終わる予定だったのが少し延びそうでありますね。これについての周知の方法などどうなんでしょう、それについてお伺いしたいと存じます。 それから、若者の雇用の場について伺いますけれども、今のお話ですとそんなに、数から見ると思ったより多くないので、これが本当に実態を把握したものであればそれほど心配したものではないのかもしれませんが、少なくとも私の耳に入るのはもっと多いんです。実態というかそういう声が非常に多く耳に入ってまいります。 そういう意味から、今回この問題を取り上げたわけなんですけれども、よく言われるのがミスマッチ、いわゆる1,000人以上の会社だと倍率が0.5なり1倍にはるかに届かないんですね、1,000人以上の大きな会社。1,000人未満ですと2.16倍まではね上がっちゃうわけです。これが300人未満だと4.41倍ということで、むしろ本当に人をつかみたいけれどもつかみ切れないという、こういう実態もあるわけです。 むしろ酒田の場合は、どうしても中小企業が多うございますので、そういったミスマッチをどうするかということも大事な視点ではないかなと思っています。そのためのいろんな意見交換会もやっていることは承知しておりますけれども、今回、ジョブサポーターを倍増しましたよね、そういったことに対する当地域の取り組みはいかがなのか、これをお伺いいたします。 それから、今申し上げたミスマッチに対応するということで、ウェブで1万社を改めて今回対象にするようですけれども、これはどうなんでしょう、当該地というか酒田市ではこの中小企業1万社の中に該当する企業はあるのでしょうか、これをお伺いしたいと存じます。 それから、今回、前からテーマになっておりました新卒者、3年間までを新卒者として扱おうと、こういうような方向性が打ち出されておりますね。そういうふうなことから、こういった対象になるような人たちはどれぐらいいらっしゃるのかもあわせてお伺いをしたいと思います。今申し上げたミスマッチに対応しようということでドリーム・マッチプロジェクトが動き出しているようですけれども、これによって酒田市の該当する若い人たちはどれぐらいいるか、これもあわせてお伺いをしたいと思います。 それから、市長のほうからも御答弁をいただきました。この長寿命化という問題を申し上げる前に、3月28日だったと思うんですけれども、いわゆる公共事業の隠れ負債というのが今非常に大きなテーマになっていますよね。いわゆる普通の企業会計であれば、さまざまなものを減価償却していって費用計上していきますね。それが将来のキャッシュフローということで内部に蓄えられるわけなんですけれども、しかし、この公会計においてはそういうことはないわけなんですよね。すべて隠れ負債というふうなことになってまいります。 そのようなことから、先ほどの市長の御答弁は、それはさまざまな国の国庫補助を受けたりだとか、縦割りでいろんなメニューがありますから、それはそれでよくわかるんですけれども、しかし、今回私があえてこのテーマを取り上げたのは、もうそのレベルではないでしょうと。 市長もおっしゃっておりました、先進地の事例なんかを見ますと、この市の30年後、50年後の人口推計はどうなっていますか、また、そのときはどこにどれだけの人が住んでいますか、またそのときに担税能力がある人はどれぐらいいますかと、そういうさまざまなことをトータルに考えていかなければ、今現在の仕事はむしろ逆にできないんじゃないのかなと、こういう思いがあるわけなんです。 そういうことからして、今回、新潟市の場合なんかをちょっと調べてみました。新潟市も習志野もあっちこっちありますけれども、やはりそれにあわせた一定の方向性を考えるというようなところもあるわけでございます。そういう意味で、このアセットマネジメントについて改めて考え方をお伺いしたいと存じます。 それから、先ほど、空き家の条例化についてということで市長のほうからお話がございましたけれども、所沢のほうで今般新しく空き家等の適正管理に関する条例というものをつくりました。それは確かに今市長がおっしゃるように空き家を持っている方が、市外にいらっしゃる方もいる、でもそうじゃない方もいる、ここなんですね。そういった中で、そこに厳しいものをしようということではないんですけれども、一定程度そういった名前を公表したりだとか、またはこれは警察なんかともよく連携をとっているようですけれども、そういうところに警告を放ったりだとかというふうなことで新しい動きが出始めているようでございます。 そういうことから考えてみて、この適正化に条例というのも1つの考え方としてどうなんでしょうねという、こういうことでお聞きした次第でございます。改めて答弁を求めたいと思います。 ◎小野直樹商工観光部長 確かに調査が中小企業のところまでは及んでいなかったということで、これにつきましてはうちのほうでいろいろと細かく調査をしたいと思います。 それからまた、今回いろいろ制度が変わりましたんで、継続した周知につきましては、これは商工会議所等とも一緒になりながら、チラシ等をつくりながら周知を徹底してまいりたいと思っております。 それから、ジョブサポーターでございますが、こちらにつきましても今回ふやされるということでございます。これはハローワークのほうで実際動いているわけでございますが、月1回ハローワークとはいろいろお話し合いをしておりますけれども、その中で一生懸命回っておるということをお聞きしておるところでございます。ミスマッチにつきましてもそのジョブサポーターが相談に応じながらいろいろやるというようなことで頑張っているということは聞いておるところでございます。 それから、今回これから対象になる若い人ということなんですが、その細かい数字は今ちょっと持ち合わせておりませんので、これにつきましては、後でまた御報告させていただきたいと思います。 ◎石堂栄一総務部長 アセットマネジメントにかかわる再度の御質問があったわけでありますが、これも1つの考え方ではあるわけではありますけれども、やはり長期的な都市経営なんだと思うんです。そういった都市の経営を将来にわたってどう考えるかといったような視点だと私は理解をしております。 そういった中で私どもも、用語は違うのでありますけれども、やはり10年、15年先ぐらいの長期の、役所用語でいいますと財政展望といいますか、財政計画というのですか、そういったものを内部的には試算をしながら、そして計画的に維持管理、それから新たな公共施設等の、建てかえも含むわけでありますけれども、そんなことを視点に常日ごろ考えておりますが、より詳細に、具体的にというのが議員御指摘のアセットマネジメントという1つの体系化されたものなんだろうというふうに理解をするところでございます。 私どもも、こういったものをひとつ参考にしながら、酒田の都市の経営というものをどうしていったらいいかというのを勉強してみたいと、このように考えてございます。 ◎加藤裕市民部長 空き家の適正管理に関して条例化、改めて所見をというお尋ねでございましたけれども、市長も申し上げましたとおり、効果があれば前向きに検討ということもやぶさかではないということを申し上げさせていただきました。 議員のお話にあります所沢市の条例というのは、これは10月1日から施行されるというふうに伺っておりますけれども、この条例の内容を見てみますと、市民の責務としてまず空き家情報、これを市に提供する必要があると。その上で市が実態調査を行って、所要の措置が必要であれば、それは最初にまず勧告という形で行う。これはなかなか効果が上がらないということになれば、次に命令という形で再度また働きかけると。それでも従わないといいますか効果が出てまいらない場合は、最終的には住所あるいは氏名といったようなものを公表することもできるという、そんなつくり方になっております。 この内容を見てみますと、一定の効果というものは、それは期待できるのではないかといったようにも考えておりますので、直ちに条例化に踏み込むかということは、これは議論の分かれるところもございますから、その条例化ということも含めてどんな実効性のある措置が考えられるのか、これからまた検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◆6番(佐藤猛議員) 3問目ですが、今、部長のほうからお話ありました。確かに所沢はそういうことなんですけれども、きのうもちょっと議論になっておりましたけれども、過疎債を有効活用できないかだとか、そういうこともございます。加えて、これは徳島のほうですけれども、解体費用の半分、30万円なんですけれども、解体費用が半分で30万円では上がりません、しかしながら、一定の責任を持った対応を誘発するという意味ではそれも1つの政策なのかなと、こう思っております。 こういったさまざまな空き家対策の先進事例がございます。そういったこともわかっていたんですが、あえて条例のほうから入ったということは、お金がかからないじゃないのということなんです。ただでも銭がない、銭がないと皆さんおっしゃるんで、銭ないのはわかってるからという話なんです。なので、そういった意味で、いろんなことをよくもう少し勉強していただいて、そういった先進地の事例などもあれば、こういった使い方もあるんじゃないのでしょうかということで。 うちもやはり合併をして広くなりました。それぞれの地域で、これは旧酒田市だけではなく、旧3町の方も同じような問題を抱えているんだと思います。そういうことからして、これはそんなに先のことではなく、結構近い段階、数年単位の問題で大きな問題になる前に、このことはきっちりとやるべきではないのかなと思ったので取り上げさせていただいた次第でございます。これについての答弁は結構です。 それから、アセットマネジメントですけれども、今、部長がおっしゃったとおり行政経営なんです。行政経営という概念をやはりこれから、特にそちらに座っている人たちは強く持っていただきたいと、こういう思いでございます。新しく水道管をつくる、また道路をつくる、皆さんおわかりのとおりそのまま5年、10年たっていけば隠れ負債になっていくと、こういうことなんです。 だから何もするなという話ではもちろんないので、そういうことをわかっている中で全体の、加えて言えば、これは新潟の例で、規模はちょっと違うかもしれません、一例として、これは野村證券がバックアップでつくったのでかなり精度が高いと思うんで、あえてちょっと話をするんですけれども。大きな新潟市ですらもう10年後には需給バランス、行政のサービスのアンバランスの場合ですけれども、10年後には11%減になる、30年後は20%減になると、こういうことなわけです。 間違いなく生産年齢は下がっていく、逆に65歳以上の方はふえていく、これは目に見えているわけでしょう。そういった中において単に縦割りだけで、あそこの橋が壊れたとか道路がどうだとか、あの建物がどうだとかということだけを、部分部分でいつも役所の皆さんが見ていたのでは、これは30年後、50年後の形が見えないんじゃないですかと、こういう話です。 きょうも、午前中、駅前のことで議論になっていました。602k㎡という全体的なキャパ、それから、これから30年後、50年後というもっと長期的な視点を持って今酒田が抱えているもの、プラスもあります、一方ではこういう目に見えない隠れ負債もあるのだということも含めて、しっかりそのようなところを勉強していただきたいと。習志野のやつは130ページもありまして、さすがにちょっと重かったんですけれども、3,100円で売っているそうですから、ぜひこういうものを取り寄せて勉強していただきたいと。 マネジメントについてもう一度答弁を求めたいと思います。 以上で質問を終わります。 ◎石堂栄一総務部長 やはりこの将来の人口の推計、そういったことを踏まえますと、これまでこの酒田市が取り組んできた、平成17年の合併というのもやはりそれは1つの大きなきっかけだったのではないのかなというふうに思っております。 そういった中で、今後公共施設のあり方、管理のあり方も含め、議員が今御指摘をされましたことを十分意を用いながら今後検討を進めてまいりたいと、このように考えております。 ○富樫幸宏議長 休憩いたします。 3時20分再開いたします。   午後2時59分 休憩 -----------------------   午後3時20分 再開 ○富樫幸宏議長 再開いたします。 ----------------------- △後藤仁議員質問 ○富樫幸宏議長 次に進みます。 20番、後藤仁議員。 (20番 後藤 仁議員 登壇) ◆20番(後藤仁議員) まずは、9月11日から14日の豪雨による被害を受けました皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、市の適切で迅速な対応を期待するものであります。 それでは、一般質問に入らせていただきます。 平成17年11月1日に合併して丸5年が過ぎようとしています。10年を1つのスパンと見たとき、今議会は前半5年の最後の議会でございます。これまでの5年間を振り返ったとき、新市建設計画が順調に進み、特に私がその中で3つの事業を挙げるとすれば、このたび増築棟が完成しました日本海総合病院を含めた県立と市立の病院統合、2つとしましては、事業主体は民間の皆様ですが、介護施設の充実、3つ目は小中学校の施設整備と適正規模への統合だと考えます。それらが健全財政の中で運営されたことは評価します。しかしながら、健全財政と市民の満足度は残念ながら比例しないところもございます。 私は、不健全財政にしろと言っているのではありませんが、もっと積極的な財政運営をすべきだという考えから、まず、健全財政と重要事業の推進についてお聞きします。 (1)として、今後5年間の財政見通しについてでございます。 先ほど話しましたとおり、我が市の実質公債費比率、将来負担比率などの財政指標は非常に健全であります。しかしながら、合併特例債の活用状況に私はスピード感が見えてこないというふうに考えております。現在のペースでは合併特例債の活用期限である平成27年度までに発行可能額を有効に使えないのではないかと心配するものでございます。 ①としまして、9月補正後における合併特例債の活用状況と、今後活用可能な額についてお伺いいたします。 関連いたしますけれども、②としまして、財政中期展望における平成23年度以降の投資的経費の考え方と、その財源として合併特例債をどのように見込んでいるのかお伺いいたします。 健全財政と表裏一体になりますけれども、(2)としまして、今後5年間の重要事業の取り組みについてお伺いいたします。 先ほどもお話ししましたとおり、過去5年間の合併特例債に限った使用状況を見ると、私は十分使い切れていないという認識でおります。今後、重要事業の実施計画をどのように合併特例債を使いながらやっていくのかについて、個別の事業についてもしわかっているのであればお答え願いたいと思います。 (3)として、市民との情報共有についてでございます。市庁舎の検討に際し、市広報に経過を掲載し市民にPRしているようですが、重要事業を実施するに当たり市民に情報をもっと提供し理解をもらうことが私は市民の皆様から重要事業を理解していただく最善だと考えておりますけれども、市民との情報の共有について市の考え方をお伺いします。幾らいい事業をしても理解がない、そういう中での事業は、私はむなしいものがあると思います。ぜひそこら辺の考え方をお聞かせ願います。 2番目としまして、個別の事業でございますが、駅周辺整備事業についてお伺いいたします。 駅前の広場について、9月2日に原案が示されました。私は、残念ながらこの原案、先ほど前者のほうに説明を受けましてある程度理解はしたんですけれども、駅周辺全体の構想が全く示されていなく、残念だなという思いを強くしております。 橋上駅舎等々の問題はありますけれども、簡単な、非常にこまいことでございますけれども、例えば今回の案では、北側の駐車場をつぶし、駅東側に代替のパークアンドライドの駐車場をつくっているようでした。しかし、つぶされましたパークアンドライド用の駐車場は37台、非常に活用状況が多く、例えばこの問題1つとってしても、そうしたらパークアンドライドで乗っていく人たちが常に高齢者の方も含めてあの地下道を荷物を持ってこなければならないとか、そういうふうな利用者サイドの考え方からいったら、もう少し、例えば今の駅南側にあります駐車場、その辺の遊休地をうまく実施してパークアンドライドに利用するとか、もっと今のエリアに限らない全体構想を描く必要があると考えますけれども、いかがでしょうか。 また、ジャスコ跡地の開発について、酒田市は土地の所有者でございます。そのためには、今現在は民間の皆さんにお任せしているようでございますけれども、もっと、例えばまだ決まっていない2割の部分に商業スペースだとか、そういうあたりには高校生だとか中学生だとか若い人たちが駅に集まってくるような、酒田市としてのコンセプトを考えられないものでしょうか。 企業誘致という言葉もありますけれども、このような駅前に対して、子供たちが集まってこれるような楽しい駅前にする、酒田市としての考え方、商業誘致をするという行政としての考えはいかがお考えでしょうか。 以上をもちまして1回目といたします。 (阿部寿一市長 登壇) ◎阿部寿一市長 後藤仁議員の御質問にお答え申し上げます。 今後5年の重要事業の取り組みについてでありますが、今までの合併特例債の使い方などについて、十分使い切れていないという御叱責をいただきました。そのことについては、1つは平成17年に合併をいたしましたけれども、まずはやはり新市の建設計画、これの実現がお約束したことであり、それぞれの各地域の切実なる地域要望を反映したものでありますので、これを急がせていただきました。そういう方針でおりましたが、実際、事業化をするに当たっては、熟度というものがまだ十分でないものもあったりしたことは、これは事実であります。 そういうことから、初年度からどんどん合併特例債を使うというよりは、少し構想を具体化するための作業があったことは、これはまた事実だというふうに思います。 それからもう一つは、旧3町地域については過疎債が使えたわけでありまして、過疎債を優先して使ってきたというような経緯があり、総額に比べればまだ十分使っていないというような印象を抱かれるのは、そういうような事情によるものだというふうに御理解いただきたいと思います。 しかし、私も当議場でも何回も申し上げておりますけれども、今後は市にある当面の課題、それから当面の課題ではないけれども、今後の市の発展、振興を考える場合にやっておかなければならない事業というものについては、この残された、もう約5年間になりましたけれども、この期間にすべて完成するというような意気込みで私は事業化をしていきたいと思っています。ということは、合併特例債の活用スピードも加速度的に上がっていくということになろうかと思います。 小中学校の耐震化とか駅周辺の整備についても充てていきたいと思います。庁舎について、改修になるのか改築になるのかは未定でありますけれども、これらの事業などにも充てていきたいと思っておりますし、また、地域の方々、市民の皆さんからいただいている事業などについても充てられるものについては合併特例債を優先して充てていくというようなことで、地域の今後5年間の課題について、積極的に合併特例債を活用し解決していきたいというふうに思っています。 ただ、これは議員も御理解いただけると思いますが、額を目標にすることも1つ大事な視点かもしれません、総額幾らになるのかということを目標にするのも。しかし、やはり合併後11年目から地方交付税の特例措置が徐々に縮減をされていくというようなこと、人口減少が進んでいるということなどを考えれば、やはり公債費負担がどうなるのか、それから、施設をつくれば隠れ負債というようなものでなくても必ず維持管理費は発生してまいります。その維持管理費をどのように見込むのかなどのことも、別の視点ではやはりしっかり持っておかなければならないというふうに思います。 したがって、額も一定の目安にはいたしますが、当面の懸案、そして将来の本市の振興につながるようなものはすべて事業化するんだというぐらいの意気込みで向かうんだということで、その思いをお酌み取りいただければなというふうに思っております。 それから、このように事業化をしていくに当たり、当然私たちは後々の市民の皆さんの負担が過度なものにならないように十分意を用いて事業化を進めてまいりますが、しかし、やはりその事業をやるに当たって、市民の皆さんの理解と協力が必要なことは論を待ちません。したがいまして、企画段階から市民の皆さんの参画をいただき、そしてプランを具体化する各段階においてそれを公表し、御意見をいただくというようなことで、この事業が必要なんだということもしっかり理解をしていただくような取り組み、事業が多くなればなるほど大事だというふうに思いますので、十分意を用いていきたいと思っております。 市庁舎の改築もしくは改修については、市議会の理解をいただいて基金の積み立てなどもやっている、議会での議論も経ているものでありますが、まだ市民の皆さんに対する説明が不足だということであれば、そのことについてもさらに心を砕いていきたいというふうに思っております。 そして、さらに、財政にばかり気をつけるのではないのはもちろんであります。財政の健全性が市民の満足度と必ずしも比例しない、御理解いただける方は御理解いただけると思いますが、必ずしもすべての市民の満足度と比例するものではないということも十分承知をしながらも、でも財政の状況がどうなるのか、将来負担はどうなるのかということについてもあわせてやはりお知らせをするということも考えていきたいと思っております。 それから、駅周辺の整備事業でありますが、このことについて、全体構想の中でこのたびの構想をどう位置づけるのかという説明、少し不足をしていたというふうに思います。 全体構想の必要性、さらには議員からありましたが、パークアンドライドというような時代の流れを考えれば、その構想についてもう少しきめ細かく対応するような部分も新たにあるのではないかという御指摘、まことにごもっともだというふうに思っております。ぜひそのような構想でありたいというふうに思っておりますし、全体構想というような形で今御指摘をいただいたこと、また前者から御指摘をいただいたこと、それぞれについてしっかりと市の考え方などもまとめ、関係各方面と調整が必要なものばかりだというふうに思いますが、その計画として盛り込めるような形、環境を整え、そして関係各方面との交渉、そして実現に向かっていきたいというふうに思っております。 まずはこの事業をやる以上、必ずやらなければならない事業である以上、有利な財源が使えるうちにやれるところは最大限にやっておくという姿勢で具体的な構想を今回お示ししたわけでありますので、これで終わりということでは決してないということも御理解をいただきたいと思います。 それから、ジャスコ跡地の開発については、9月1日、事業主体となります株式会社酒田フロントスクエアという会社が設立され、実現に向けて大きな一歩を踏み出していただいたというふうに思っています。 もちろんこのことは、実施主体としてはこういう会社ができたわけでありますが、私たちにとっても、1つは地主という立場もございますし、もう一つは、駅前というのはやはり市のにぎわいを創造すべきところ、市の顔となるところでもございますので、ぜひ議員から御提案もありましたように、駅前というロケーションを生かし市民に喜ばれる内容となるよう、地元の皆さんからも要望もいただいております。それから今議会でもいろいろな御提案もいただいております。今議会に限らずさまざまな御提案をいただいておりますので、そういうことも盛り込まれるよう、主体はこの株式会社でありますが、市としても積極的に助言をしたり、協力したり、支援をしたりというふうにしていきたいと考えているところであります。 以上であります。 (丸山 至財務部長 登壇) ◎丸山至財務部長 合併特例債の額についての御質問がございましたので、お答え申し上げたいと思います。 合併特例債の発行可能額でございますが、約329億円でございます。9月補正分を加味いたしまして、今年度の発行予定額の約30億円を合わせますと、平成22年度末には累計で約91億円の発行額となる予定でございます。 平成23年度以降に発行できます合併特例債の額でございますが、約238億円と見込んでいるところでございます。 次に、平成23年度以降の投資的経費の考え方と、その財源としての合併特例債、どのくらい見込んでいるのかという御質問でございましたけれども、ことし3月に作成いたしました財政中期展望では、平成23年度から平成27年度までの投資的経費の総額は240億円としたところでございます。これは特定の事業費を積み上げたというものではなくて、一定の投資事業費を見込んで作成したというものでございます。この投資的経費240億円に対する財源といたしましては、合併特例債は約144億円で試算をしているところでございます。 以上でございます。 ◆20番(後藤仁議員) それでは、2問目に入ります。 今、財務部長のほうから、中期財政展望で240億円、そのうちの144億円を見ているということになれば、合併特例債の今の計画の中では329億円に対して241億円の合併特例債を使っていこうという、今の財政計画であるという話ですよね。 そうした場合、今の話ですと積算根拠としては積み上げ方式ではございませんという話でした。市長のほうの答弁としては、この5年間の中で酒田市としての課題になるものはすべてというか、熟度もありましょうけれども相当数完結するんだというような強い御答弁がありました。どうなんでしょう、今の中期展望、やはりそういうふうな市長の意向を聞いて、早急に何をやるのかということを明確に総額として打ち出す必要があるんじゃないでしょうか。 といいますのは、この合併特例債というものは、ある程度非常に幅の広い財源でございます。私は、この5年間、合併特例債を使わなかったときに、今後の、先ほど市長からもありましたけれども平成28年度以降地方交付税も毎年下がっていくと、そして合併特例債も使えないというような状況を考えたときに、相当これからの5年間というものがしっかりとした、単にアバウトに財政計画で平成23年度から26年度まで50億円ですよと、最後の平成27年度は少し残っているから40億円ですよというようなアバウトな投資的経費といいますか、中期財政展望では私はだめなんだと思います。そこら辺について、再度御答弁をお願いいたします。 続いて、市長の答弁にもありましたけれども、やはり私は積極財政でやるものは早くやろうという意識ですけれども、当然前者の質問にもありましたとおり、やはりこれからは維持管理の経費もしっかり考えて経営していかなければならないというのが、市の財政計画の大きな要点だと思います。やはりこれから積極的にやっていくのは当然ですけれども、やはり市民の皆さんにそこら辺の維持管理まで含めた情報を出すことによって、市民の皆さんからいろいろな事業の取捨選択、また規模についての考え方、そういうものを聞くというような形での重要事業のあり方というものもやはり検討すべきだと私は思います。 そんな観点から駅前についてお伺いします。 前者への御答弁の中で、これから具体的なものはいつまで全体構想をというような総務部長の答弁もございました。これは私が言うまでもないんですけれども、例えば駅前開発で、橋上駅舎だとか自由通路だとかそういうものをやっていくという決断をした場合、豊坂の事業実施の事業期間を見ますと、大体4年から5年かかっています。そして、今議論しております合併特例債を財源とするということを考えましたら4年から5年の、設計も含めての事業期間かもしれませんけれども、もう時間はさほどないですよね。 それを考えたときに、私は、先ほど1問目で話したとおり、スピード感を持って維持管理も含めた形での事業費積算をやっていく、さほど時間がないですよ、このほかにもいろいろな、駅前周辺に限らず庁舎の問題だとかいっぱいあるんですから。 やはりそこら辺を、市役所全体が一致団結して、自分たちの課の問題だからというような話じゃなくて、きっちりと市民に出せる資料、そういう体制をつくるべきだと思いますけれども、そこら辺について御答弁をお願いしたいと思います。 以上、2問目を終わります。 ◎丸山至財務部長 具体的な財政展望をもっと示すべきではないかというお話でございました。 ことしの3月にお示しをさせていただきました財政展望、これも具体的な事業計画を積み上げたものではないというお話はさせていただきましたが、事務レベルでは具体的に今後想定されるものについては一応頭に描きながら、年度をならした形で投資的経費を見積もらせていただきました。 投資的経費につきましては、平成17年度当時で約70億円ほどにしていますが、その後、30億円とか20億円とかというふうな数字で経過してきた経緯がございます。そういった実績も踏まえながらそういう見積もりを立ててたわけでございますが、今後の財政展望につきましては、ただいま作業をしております集中改革プラン、そういったものも踏まえながら、より精緻な形で今後の財政展望を組んでみたいというふうに考えております。 例年3月に財政展望をそれぞれ示させていただきますけれども、来年の3月の段階では、熟度の増した計画などをより具体的に頭に描きながら今後の財政展望というものをまたお示しさせていただければというふうに考えているところでございます。 ◎石堂栄一総務部長 平成27年という限られた年度の中でこの合併特例債を活用した事業の進捗という御指摘でございました。 私どももこれまで、例えば学校の耐震化については本当に総力を挙げてやってまいりました。まずは子供たちの安全安心をやろうということで平成27年度までの計画を立て、本当に毎年1校ずつやるような形で取り組んでまいりました。 今後も、今御指摘の駅前も含めて、これも同じように総力を挙げて私ども平成27年に一定の成果が出るように取り組んでまいりたいと考えます。 ◆20番(後藤仁議員) 今、御答弁で来年の3月までというお話でした。本当に、こんなこと言ってはあれだけれども、できますか。 というのは、先ほど、この5年間で92億円をお使いになったと言いますけれども、そのうちの29億何がしは基金積み立てですよね。そうすると、実際に事業として使った額は63億円しか使ってないんですよ。そういうふうな観点から、もう5年間で今の計画では144億円、でも市民要望として多分水面下で、皆さんのところに行っていないというか、皆さんの基準だと落としているような中でも、地域だとか市の課題の中で私はもっと事業があると思いますよ。少なくとも63億円、144億円のうち庁舎建設に相当数を持っていくからできるんだという発想もありますけれども、やはり庁舎だけに合併特例債を使ったという形は、市民の皆さんからの理解度は相当低いと思います。 やはりもっと小まめに市民の声、地域の声を聞いた中での合併特例債をいかに使うのかという議論をしていかないと、私は市民の満足度を得られた合併特例債の利活用にならないというふうに思っています。 健全財政というのはいいんですよ。でも、例えば去年からことしのデータ、実質公債費比率、平成20年度で14.2が平成21年度は13.4に改善しております。将来負担比率、これは広域行政組合だとか下水道だとかそういうものをみんな入れた将来負担比率が105から84.6に非常に改善しています。その比率を山形県の中の、これ平成20年度の資料ですけれども、見ますと、うちより財政的な比率がいいところは3つぐらいしかないです、平成20年度でも。 やはりこういうあたりが、市民の皆さんが健全財政だからよかったという話だけじゃなくて、もっと積極的に私たちの声を、私たちの思っているような施設をつくっていただけないかという要望に私はつながっているんだと思います。 先ほど市長が言ったとおり、この5年間で酒田市の課題となるようなものをすべてある程度やっていくという腹づもりがあるんであれば、市民の皆さんのそういうふうな声をもっともっと聞く、または同じものをつくるにしてもどの程度のグレードを市民の皆さんは望んで、そして先ほどの維持管理もありますので、じゃ市としては将来的な維持管理を考えたときに皆さんいかがでしょうかという、そういうふうな意見交換、キャッチボールをすると。やはりそういう体制がないと、私はせっかくの事業が喜んでいただけない状況になると思います。 先ほど、1問目で話しました日本海総合病院、我々議員も9月11日内覧会に行かせていただきました。そうしたら、増築棟の入り口に本荘由利医師会からの花が置いてありました。理事長さんに聞いたら、本荘由利地区も医師不足の中から今後救急だとかいろいろな体制の中で日本海総合病院と提携を組みたいと、組んでいくんだというような話の中で花束をもらって、日曜日に本荘由利の医師会の皆さんが見学に来ますというような話を聞いてまいりました。 いい施設をつくれば酒田に人が集まってくれるんですよ。やはりこれからの公共事業の整備というものは、山形県内のみならず、今の日本海総合病院がいい例であるように、少なくとも高速道路もこれから整備になってくる、いろいろなことを考えたときに、やはり50km圏だとか60km圏の県境を越えたような皆さんとも酒田市が提携していくんだというような発想の中での酒田市の公共施設なり、市民要望にこたえる考え方を私は持つべきだと思います。 やはり人の交流なくして酒田市の発展はない。そのための、今回合併して合併特例債というものがあるわけです。正直申し上げましてただいまの計画の額、先ほど市長は額じゃないという話も承りましたけれども、やはり50年の施設であれば、もうちょっと市民が50年間喜んで使えるような施設にすると、そういうふうなところも踏まえて計画をつくっていただきたいと。 ただし、何回も言いますけれども、今のようなスタンスでは使えないと思いますよ、合併特例債。もうちょっと一つ一つを市民の皆さんに、何回も言いますけれども、もっともっと説明していくようなスピード感を持ってやっていかなかったら、そこら辺もうちょっと5年の短さを考えていただきたい。 我々も、ついこの間合併したと思ったらもう5年が過ぎたんですよ。この10年のスパンで行って、特に私が今言っているハード事業を考えたときに、一般的に考えれば市民同意は1番おっても平成25年、平成25年ぐらいには市民の皆さんから御同意をいただいていなかったら、最終の平成26年、平成27年の建設、大きいものだったら、設計も含めて、間に合わないでしょう。 そうした考えから、平成27年度から逆送り、逆送りしたとき、今の平成22年の半分が過ぎたこの9月議会で、先ほど財務部長はルーティンというかいつものとおり平成23年度の中期計画を来年の3月につくりますという言葉でしたけれども、精査するにも時間があります。だから決断するのはもう3年しかないんです。市役所がある程度決断して、市民の皆さんにお知らせする、3年しかないんですよ。そこから設計してできないものもあるでしょう、ということになれば平成24年、もう2年と半の間に市民の皆さんから御理解いただいて、市が決断していくと。時間は本当にないと思います。 そこら辺の時間がないということと、市民の皆さんとの説明、会話、そして、先ほど市長からあったこの5年間である程度のもの、すべてのものはやっていくというような決意、そこら辺も含めて再度御答弁いただいて、私の質問を終わります。 ◎石堂栄一総務部長 初めに、60億円しか使っていないではないかという御指摘でございましたけれども、私どもは基本的に合併特例債よりも有利な財源があれば先にそちらを使います。これは過疎債であり、通常の国・県補助金であります。その残りに対して合併特例債を使ってきたと。したがって、結果がこうだったということをまずは御理解をいただきたいと、このように思います。 それから、平成27年までの間に、私どももこの平成22年、平成23年がもうぎりぎりの年だろうと、このように思っております。先ほど、市長がさまざまな事業について御答弁申し上げましたが、相当内部では議論を進めております。それで一定程度これで何とかなるといった時点になりますれば、まず初めに議会の皆さんとも御相談申し上げながら今後のあり方についてはまた進めていきたいと、このように考えているところでございますので、よろしく御理解をお願いいたします。 ----------------------- △菅原良明議員質問 ○富樫幸宏議長 次に進みます。 22番、菅原良明議員。 (22番 菅原良明議員 登壇) ◆22番(菅原良明議員) 本日最後となりましたが、よろしくお願いしたいと思います。 それでは、通告に従いまして一般質問を行います。 最初に、公契約条例の制定についてお尋ねいたします。 公契約の分野においても、官から民への流れの中で官製ワーキングプアをつくっているのではないか、公共サービスの水準はだれがつくるのかなどのさまざまな議論が起きてきております。公共工事において予定価格を積算する際の設計、労務単価について、山形県の調査では、ピークであった1998年は2万5,150円、2009年は1万3,890円と、約45%の水準までダウンしており、このことが首都圏などとの全国格差を生じ、人材流出が懸念され、事業者からは労務単価が低過ぎるとの声が出されているようであります。 この労務単価の低下により、競争の激化、低価格の入札がふえ、労働者の賃金水準となり、それがまた労務単価に反映され、低価格化が進んでいくという悪循環が指摘されておりますが、当局としては労務単価の推移を把握しているのか、そしてその水準についてはどのように考えているのかお知らせいただきたいと思います。 入札制度については、国においてもたびたび制度の改革が行われてきました。山形県においては公共調達基本条例が制定され、改善に向けた一定の取り組みがなされているところでありますが、建設労働者としての生活の不安、将来への不安などから、県に対して公契約条例の制定を求める要望書が提出されております。この公契約条例の制定を求める声は、何も県内だけではなく全国的に広がっており、議会においても国としての制定を求める決議が相当数なされております。 兵庫県尼崎市では議員発議により提案されましたが、法の壁の前に否決となっております。一方、千葉県の野田市では、市長みずからの動きにより全国で初めて公契約条例が制定されたことは御案内のとおりであります。 野田市では、公契約条例の制定に当たって、本来は国が定めなければならないことを明らかにし、国における制定に向けて全国でも立ち上がってほしいと呼びかけを行ったともされていますが、実際、酒田市には要請があったのかどうかわかりませんが、野田市の公契約条例の制定をどのように受けとめているのかもお聞きしたいと思います。 公共サービスの提供を民が担う形は指定管理者制度、民間委託、民間移管などさまざまな形態で酒田市でも広がってきております。しかし、指定管理者制度1つとっても、指定管理者には毎年の事業報告書の議会への報告義務はないわけであります。民が担う公共サービスにおいて、そこで働く者が生活できないという状態が放置されておいてよいはずはありません。公契約条例の制定を求める声は、働く者の賃金のあり方まで含めた公共サービスの水準のあり方を問う声であり、当局は公契約条例の制定についてどのように考えているのか、所見をお願いします。 2番目に、住民参加への基本的考え方についてお尋ねいたします。 地方分権の流れからも、自治体としての行政運営において住民参加がうたわれることが多くなりました。この住民参加が意味することが地方自治の本旨としての住民自治の尊重であるのであれば何ら異論はないものと考えます。酒田市においても、行政運営のさまざまな場面において住民参加を掲げ、また、住民協働の地域づくりを目指しているとも受けとめております。 しかし、学校統廃合にかかわる第一中学校・第五中学校の校名問題や、八森自然公園の土砂採取問題などで当局は住民参加をどのように考えているのか、酒田市のその基本的姿勢について疑問を感じております。 一中・五中の統合による校名は今議会で議決されましたが、校名問題を住民参加の観点から見れば、多くの教訓を残したと考えます。 保護者や地域の代表者から成る準備委員会が立ち上げられ、ナンバースクールにはこだわらなくてよいとした教育委員会の姿勢、そのことを受けとめ、統合に向けて校名は自分たちで判断しなければならない、そしてアンケートまで実施、校名を決定したことは、ある意味では望ましい住民参加の形だったろうと考えます。ところが教育委員会は、住民側の答申とは全く違ったものに方針を決定し、その後の説明での姿勢は理解しがたいことも大いにありました。この校名問題が住民の行政に対する不信感になっていくことを危惧しておりました。 そもそも校名の決定を含めて学校統廃合による新しい学校づくりも住民参加なしにはなし得ず、そのためには住民参加はどうあるべきなのか、どのように進めるべきなのか、スタートの時点での姿勢が極めて大事なんだろうと思います。このことを変えてしまったと考えますがどうなのか、当局の見解をお尋ねいたします。 次に、八森の土砂採取問題でありますが、このことについては昨日も議論がありました。これまでの説明会は問題が大きくなっても住民説明会という感じがなくもありません。 前者からは、住民説明会のあり方や、また説明会に対して賛成、反対の双方からブーイングがあったと、このようなことも昨日お話がありました。私に対しても、説明会を開いて住民の意見を聞いていくための説明なのかという声も寄せられております。住民参加の概念の中で、説明会をどのように位置づけてきたのか、目的は何であったのか、そのことをお聞きしたいと思います。 いずれにしても、住民参加の概念を整理していないと、このような問題が起こることは今後も十分に考えられますので、次にその基本的な考え方についてお聞きしたいと思います。 住民参加の原点は、知る、情報の共有とも言われます。このことからだけでも、先ほどの校名問題や土砂の採取問題について、住民参加のあり方はどのような形であればいいのか考えさせられるわけであります。 アメリカの社会学者であるシェリー・アーンスタインは、参加のはしごという表現で住民参加の概念を考え、一番下は世論操作、そして不満をそらす操作、一方的な情報提供、形式的な情報提供、形式的な参加機会の拡大、官民の共同作業、部分的な権限移譲、権限委任、住民主導と8段階から成るはしごの説明をしております。また、アーンスタインは、住民参加とは住民に対して目標を達成するための権限を与えることと定義しております。 住民参加は、まちづくりのキーワードやシステムとしても使われますが、それは形式的なものにならないようにしてほしいものであります。当局は住民参加の定義をどのように考えているのか所見をお聞かせ願いたいと思います。 3番目に、日々雇用職員制度の見直しについて伺います。 去る8月10日、人事院から勧告が出され、給与等の勧告についてはその取り扱いについて政治問題化していくことも懸念されておりますが、ことしの勧告の中で、報告として国における日々雇用の仕組みは廃止され、会計年度内の期間臨時的に置かれる官職につけるために任用される期間業務職員制度を本年の10月1日から実施できるように制度改正を行ったこと、また、非常勤職員への育児休業等の導入についても措置されたことは御承知のとおりであります。 国家公務員の日々雇用職員は約2万5,000人存在すると言われていますが、国の場合には日々雇用職員制度の前にも非常勤職員の存在の長い歴史があり、日々雇用職員制度になってからも、各省庁では補助的と言われながら第一線のサービスに従事しており、有給休暇もなく、10年以上勤務している人も珍しくないようであります。 我が酒田市においても、旧市のときに定められた日々雇用職員取扱規程が合併後も引き継がれており、ことしの4月1日現在では97名の日々雇用職員の方がいるようであります。この日々雇用職員取扱規程により再雇用は禁止されていますが、特に必要な場合は別になるということであります。そのため、職場によって一定の勤務年数を有している方もいると思いますので、勤務年数がどのようになっているのかお知らせ願います。 国の場合において、日々雇用職員制度はフルタイムの勤務時間や勤務年数の実態とかけ離れ、雇用計画は1日単位、身分は非常勤であることから、矛盾に満ちた制度であり、改善を求める声が上がっておりました。昨年の勧告において日々雇用職員の身分の不安定さを人事院は指摘し、任用、勤務形態の見直しの検討を示す今回の期間業務職員制度の勧告に至っておりますが、当局はこの勧告をどのように受けとめているのかもお聞きいたします。 酒田市の日々雇用職員取扱規程も、実際はないと思うのでありますが、1日単位の雇用計画が基本となっているものと理解しております。そうであるならば、昨年の勧告で人事院総裁が指摘しているように、身分と雇用の不安定さの上に成り立つ制度と言わざるを得ないわけであります。また、職場によっては恒常的な業務への任用も見受けられ、正規職員の採用問題ともかかわってきますが、国の制度と同様矛盾を抱えていますので、当局は国にあわせて酒田市の日々雇用職員の取扱規程を見直していくのか、また非常勤職員への育児休業、育児時間を導入していくのかをお聞きいたしまして、以上で1回目の質問といたします。 (阿部寿一市長 登壇) ◎阿部寿一市長 菅原議員の御質問にお答え申し上げます。 公契約条例の制定についてということで何点かお尋ねがございました。 酒田市が採用している労務単価については、国土交通省が示す労務単価、これを山形県が県内版として取りまとめ、決定しております。県統一の土木関係設計単価というものを採用しているわけであります。 こういうものをずっと採用してきておりますので、労務単価の推移についても十分把握をしております。10年前と現在とで主な作業員単価を比較しますと約20%下がっているということであります。これについては決して何か意図的にそうしているというものは全くないわけでありまして、これは国土交通省が建設労働者等の賃金の実態を毎年調査をし、都道府県別、職種別に集計結果を出して、国が決定をしているというものでございます。ということは、やはり経済の動向や、それに伴う賃金水準を反映したものになっているというふうに思っております。 こういうような形で私たちは、ある意味実態を反映した県内統一の単価でありますから、そういう意味での公正な単価を採用しているつもりであります。しかし、現実的な契約の中で、実際に作業に従事する建設労働者が大変つらい思いをするということになってはいけません。したがいまして、この単価の設定は設定としても、私たちの市役所の工事などについては、低入札制度の運用の中とか、それから契約実態の把握等々の中で、決して低価格受注などが最終的に労働者の賃金に反映されるようなことがないよう、予定価格の設定のみならずあらゆる面で努力をしているところであります。 そのような中、千葉県野田市のほうで公契約条例というものが制定されたということであります。 この条例については、野田市ですが、市の契約に係る業務に従事する労働者の適正な労働条件の確保を通じて業務の質の確保、そして公契約、公共団体の結ぶ契約の社会的な価値の向上を図ることで、全体として豊かで安心して暮らすことのできる地域社会を実現することを目的としたものでありますので、そういう意味では、大変その趣旨についてはすばらしいものがあろうかというふうに思います。 ただ、このことについては、先ほどの労務単価の問題なども含めてでありますが、やはり建設会社も、それから建設労働者もそうでありますが、やはり全国的な規模、もしくは例えば東北なら東北、県なら県という範囲で動いているわけであります。そういうことを考えれば、このような労働条件の環境整備というのは国が法律としてやるということが望ましいというようなことから、全国市長会などにおいても、平成17年度、国に対して公契約法の制定について要望を行っているというところでございます。 このようなふうに思います。したがいまして、野田市の考え方、こういうことについては一定の評価、そういう意味ではその条例の意味については理解をするものでありますが、ただいま申し上げたところからしても、やはり国のほうでの対応が私は重要だとは思っております。しかし、これがどういう動向になるのかというのはわかりません。市長会では、ことしの6月も提言も行っているわけでありますが、こういうようなさまざまな動きを注視しながら、本市での対応というものは考えていきたいと考えております。 以上であります。 (石堂栄一総務部長 登壇) ◎石堂栄一総務部長 私のほうからは、住民参加の定義についてという御質問がございました。このことにつきましては、総合計画におきましても市民とともに歩む行政の推進という基本的な認識のもとに市民の声をいかに市政に反映させ、そして市民の皆さんと一体となって施策形成をするべきかといったようなことを認識していることからでございます。 住民の皆さんとのかかわりでは、いかに市民の皆さんからそのニーズを把握し、そして事業を進める場合は情報の共有、先ほど議員のほうからもありましたけれども、市民の皆さんの理解と情報の共有がやはり一番大事だというふうに思っております。そういった中で、市民の皆さんから声を聞くという視点から見れば、1つは各地域での説明会があります。それから、定期的にやっております移動市役所という場もございます。ふれあいの手紙なんかもその1つだというふうに思っております。 また、各審議会、それから検討委員会、こういったところにおきましても市民の皆さんから参加をいただいて、その中でいろんな御意見をいただきながら1つの方向を決めていくと、こんなことが基本的な考え方だろうというふうに私どもは思っております。 それから、私どもから市民の皆さんのほうへの情報の発信、これにつきましては市の広報、それからホームページ、それからさまざまな情報の公開、こういったものを主に進めているところでございますが、今、毎日ハーバーラジオでお昼のときにいろんな身近な話題を職員みずからが情報を発信しておりますが、そういったさまざまな機会を設けながら、私どもとしてはそういう情報の提供に努めていきたいというふうに思っております。 それから、日々雇用職員制度の御質問がございました。 人事院勧告の期間業務職員制度、これを受けての御質問でございましたけれども、私ども酒田市の日々雇用職員の皆さんの勤務の実態でございますが、一般事務職のフルタイムの日々雇用職員の皆さんは9カ月を限度として雇用させていただいております。ただし、保育士につきましては、これはどうしても子供さんの保育をしている、子供たちとの触れ合い、かかわりの関係から11カ月の雇用期間としております。 それから、そのほかにパートとしてお願いしている方もあるわけでありますが、学校図書の専門員であるとか、学校の実習の助手をしていただいているとか、そういったある程度専門性、業務に熟知していると、習熟が必要だと、こういった業務についてはパートの形でも長い期間をお願いしている場合もございます。 次に、期間業務職員制度の受けとめ方でありますが、この10月から実施というふうに報告がされているようでありますが、まず私どもとしてはこの制度をまだ詳細に承知をしてございません。なかなかわからない部分はありますので、まずは情報の収集、それから10月からの実施の、やってみた経過、こういったことを見ながらまずはこれを勉強していかなければならないという段階でございます。 次に、日々雇用職員の取扱規程の中で、育児休業というようなお話もございましたけれども、これにつきましても国家公務員の育児休業等に関する法律の改正、それから人事院が国会と内閣に意見の申し出を行った経過、それからこういった法律の改正等も見ながら私どもとしては対応を検討してまいりたいということでございます。 以上でございます。 (兵藤芳勝教育部長 登壇) ◎兵藤芳勝教育部長 住民参加の基本的な考え方という中で、一中・五中の関係につきまして御質問をいただきましたので、お答えをさせていただきます。 学校統合を円滑に進められるように、統合に伴う諸課題を検討していただく統合準備委員会を地域の住民代表、それから学校の関係者、保護者等の皆さんから組織をしていただいております。住民参加による学校づくりを積極的に進めてきておるところでございます。 ただ、今回、校名に関してだけは教育委員会の考え方が当初から決まっていなかったということがありまして、準備委員会と教育委員会の間で結果として違った選択になってしまったというものでございます。 こうした住民参加の基本を考える上で、先ほどもありましたけれども情報の共有化ということが、そういう面で課題があったというふうに考えているところでございます。今回のことを踏まえまして、今後進められます学校の統合に当たりましては、最初から考え方をきちっとお示しして進めていきたいというふうに思っているところでございます。 以上でございます。 (伊藤一幸建設部長 登壇) ◎伊藤一幸建設部長 住民参加の基本的な考え方の中で、八森土砂採取問題の地元説明会についての御質問にお答えを申し上げます。 国の支援を前提に、八幡地域の活性化につなげたいという思いから、八森自然公園の付加価値を高めるために整備を行いたいという考えから、事業の概要を地域の皆様にお知らせし、理解を得ることを目的に説明会を行ったものでございます。 以上でございます。 ◆22番(菅原良明議員) 順序よく2問目まいりたいと思うんですけれども。 労務単価が実態を反映して公正な価格の単価と、こういう市長の答弁があったんですけれども、それはそれなんだろうとは私も受けとめますが、聞きたいのはそういうことではなくて、県の調査でも45%水準が下がったということは申し上げたんですけれども、要は暮らせる賃金に、例えば酒田市内の建設業者でもそういう賃金になっているのかどうか、そういう問題意識を当局は持って見ていたのですかということなんですよ。 要するに、単価がどう決まるかということは、そういうことを聞きたいとかではないですので、もし市内の事業所の声なんか、また事業主の声、働いている人の声を聞いていなければ、ぜひやはり1度聞いておく必要が私はあるのではないかと思いますので、その辺の考え方を明確にお答え願いたいと思います。 それで、野田市の公契約条例と3問目の公契約条例の制定について、これはダブりがありますので一緒なんですけれども、市長からも野田市の公契約条例の趣旨はすばらしいと、そして公契約条例の制定については国の対応ということでの答弁がありました。 それで、国の動きなんですけれども、一定程度公契約条例が必要な状況にあるということは国のほうでも認識はされているところはあるみたいです。ただ、じゃどこで定めるのだと、どういう形で定めるのだということになると、やはり国の省庁間でも押しつけ合いをしているような、そんな状況があるようでございます。ですから、市長会でも要望されたということでありますけれども、じゃ国が近々この認識を持って何か条例化されていくのかというと、なかなかそうではないような感じもしておるわけです。 それで、市長が国の対応が望ましいということは、それは私も受けとめます。ただ、野田市のほうでは、当局だって野田市の条例の全文を見ているんだろうと思います。そうすると、結局は野田市自体も公契約条例というのは限界があると言っているわけです。自分たちの法律も限界があると、それでも定めたと。なぜかといえば、低賃金の状態を見過ごしていていいのかと、こういう問題意識があるわけです。だから限界もありながら定めて、定めないと国は動かないんだろうと、こういうことなんだろうと思うんです、野田市の公契約条例制定の意義は。この辺は前文にも書いてありますので、何も私がここで力説する必要も何もありません。そういったところに私は意義があると思うんです。 そうしますと、例えば酒田市で、あるいはほかの自治体で定める場合に、じゃ課題が何かということもあるんだろうと思うんです。尼崎はいわゆる議員発議で、議員の中で結局否決されたわけです。結局法の壁とも言われています。例えば最低賃金法、地方自治法、あと私企業への介入がどこまでできるんですかとかという問題ですね。あと、検証するための事務的作業、この辺をどうクリアできるのかとかといろいろあって否決されたようなんです。 逆に、野田市みずからだって限界があるのを知りつつ、法の壁の問題は専門家も入れてやっているわけですけれども、限界を自覚しながらやっていますから、例えば酒田で定めようとした場合、何が課題があるのか、この辺をちょっとお知らせ願いたいと思います。 あと、やはり野田市の呼びかけというのは私は非常に重たいもんだろうと思います。ですから、市長の答弁がだめだとかとかということではなくて、野田市の条例というのは非常にやはり重い、こういったものは重たいということがあるわけですから、酒田市でちょっと調査研究してみますかと、こういう気持ちというものがないのか、いま一度御答弁をお願いしたいと思います。 あと、住民参加のことです。 総務部長から基本的な考え方というところでの答弁なんだろうと思うんですけれども、いろいろあったんですけれども、これもちょっと前段の聞き取りの趣旨説明というのが悪かったのかなとも、こんな感じもしながら聞いていたんですけれども。 結局、例えば地域づくりの事業もあると、さまざまな事業を抱えているわけですね。そして、例えば都市計画のマスタープラン、これはある意味では住民からいろんな意見を出しましょうというのがスタート時点であるわけですね。こういう形も酒田市はやっているわけです。 ところが、この土砂の問題とか校名の問題というのは、ものの見事にひっくり返ってみたり、何をやりたいのかよくわからないような形で混乱していくような格好になっているわけですね。そうすると、こういった問題を抱えたときに、ある事業についてどのように住民参加というのは、1回目の質問で言ったんですけれども、基本的なスタンスをどこに持つのかということで、最後まで住民参加の形で進めていくのか、聞いておくと、参考にしていくということに転換していくのか、あるんだろうと私は思うんです。 ただ、一番大事なのは、酒田市の基本的スタンスというのはどこに置くんですかと。アメリカの社会学者は一定の権限を与えるということで定義していますということを1回目の質問で言ったんですけれども、別に私はこう持つべきだという気はありません。ただ、どこかで基本的スタンスというのを置いておかないと、やはり混乱するということはたびたびあるわけです。 別に私は住民参加の基本的な考え方というのは、八森の土砂の問題だとか校名問題だけで言う気はないんです。いろんな場面で見受けられるんです、別の分野でも。つまり、決まったから、あと反対ならどうなんですかと言われても、いや決まったことですということを随分繰り返してきたでしょう、酒田市の姿勢というのは。果たしてそれで地域づくりだとかまちづくりのことを言う場合に、住民参加だとか住民協働というのを掲げていいんですかということですよ。どこかにやはり基本的スタンスというのが定まっていないし、別の言い方からすれば軽視しているのではないかという、こんなとらえ方をされたら、私は情けないと思うんですよね。 ですから、あえてアメリカの社会学者の例を言ったわけですので、もう一度この基本的スタンスというのは何なんですか、ここのところをお答えいただきたいと思うんです。 校名の問題です。それで、ないと言われた資料が出てきたわけですね、この前9月14日に。いわゆる教育委員会の会議の記録です。私もちょっと拝見しました。ただ、全部細かいところまでは読み切れません、はっきり言って。それで、ただ2つだけ印象を申し上げます。 1つは、光ケ丘中学校ということで準備委員会の皆さんが賛否を問うたわけですね。そして16対13ですか、このことに関して非常に気になる表現があるんです。つまり、民主主義にかかわるようなとらえ方が会議録に載っていました。私はこれはいかがなものかとまず思います。もう一つは、事務局というのは随分一中にこだわりが強かったなという、事務方というのは。このことが結局ずっと続いていて、結局議案になっていったのかなという印象を受けとめております。 別に私、経過とか中身について質問しようとは思いません。私の聞きたいのは住民参加なんです。私はどうも、整理していくと、例えば一中・五中を除くという形で進んだわけですね、ナンバーは除くと。そこから始まっているわけですね。じゃ、あの会議録というものを見た場合、初めからこだわるのであれば一中・五中も検討してくださいと私は言えばよかったのかなという感じもするんです。 ですから、非常に悩んでかかわってきた住民の皆さんから見れば何だったんだろうというのはどうしても残るんです。ですから、私は、最初に住民参加の、スタートする場合の基本的な考え方をどこかにきちっと定めておかないと、後でやはりこういう問題が起きてしまうのかなという感じがしております。 ですから、あくまでも酒田市というのは教育委員会も含めてどういう形で臨むんですかと。この地域づくりだとかそういった場合にどういう姿勢で臨むのかと、もし教育委員会なりのお答えがあればお聞かせ願いたいと思います。 あと、土砂の採取問題。 もう一回戻りますけれども、これは市長はいわゆるパークゴルフだとかのメッカにしたいと、こういうことを言ったわけですね。それはトップですからいいんだろうと思うんです。ただ、これから住民説明会をする場合はそういう形ですよね。そういう形にならないとおかしいと思いますよ。 私は、地域づくりということで、例えば整備計画で回答という答弁をされましたけれども、普通、地域づくりのための整備計画であれば住民からいろんな考えを聞くのがスタートなんだろうと思うんです。そして、酒田市はこういう考え方もしていますと、皆さんどうなんでしょうと、ここの繰り返しが私は望ましい形なんだろうと思うんです。 ただ、住民参加のために説明会を開いて、市長はパークゴルフのメッカとしたいと、このようにあと進んだ場合は、もう形式的にしかなりません、はっきり言うと。形式的な説明会ですよ、もう。これはアメリカの社会学者が言っている階段の中にすぱっとはまりますよ、私はそのように申し上げたいと思います。 あと、日々雇用の問題です。 これ、まず2つ確認したいんです。1つは、恒常的な業務にまずいるわけですよね。保育士さんの例も挙げられました。そうしますと臨時的な業務であれば私は理解できるんです。恒常的な業務に置くと、これはやはり矛盾を抱えていないんですかというのが1つです。そして、日々雇用職員という取扱規程、これはやはり1日単位が基本なんでしょう。これは身分の不安定さというものを伴っていないんですかと。ここをやはり問わなくちゃならない問題なんだろうと思うんです。ですから国が見直したと。 国だって結局歴史をたどれば、こういう非常勤職員の皆さんが国家公務員として定員化された時代もあったわけですよね。酒田市も昔をたどれば、国のほうの動きを受けて当時の非常勤職員の人達が市の職員となった経過もあるわけですよね。ところが、定員化法というのが定められて、また、財源という問題も出てきて、逆に非常勤職員がふえていったと。こういういろいろやってもどこかにやはり矛盾を起こしているんです。 ですから、この期間業務職員制度というものも限界があるのかもしれません。評価もさまざま分かれていくのかもしれません。ただ、今よりいいということでの評価ができれば、これは私は導入すべきなんだろうと。ただ、雇いどめの問題は十分検討してくださいということになるわけですので。この辺は、この2つの問題を抱えている制度ではないですかと、酒田市の場合もと。この辺はどう、ぜひお答えを聞きたいと。 こういうことで2問目を終わりたいと思います。 ◎石堂栄一総務部長 まず、住民参加の基本的な考え方の定義ということでの再度の御質問があったわけですが、基本的なスタンスは何なんだという御指摘でございました。 これにつきましては、一般的に申し上げますけれども、まずは市がさまざまある課題について内部検討をし、一定の考え方を持って、まずは関係する部署、それから地域の皆さんに、市はこう考えているんだけれどもどうだろうかと、その市の考えてきた背景、これは当然説明しなければならないだろうというふうに思います。この考えてきた目的というのは地域の発展であり、そこに住む住民の皆さんの福祉の向上というのが、これが主になるんだろうと思います。 そういった中で意見をお聞きし、それを集約し、そしてまたその中で一定の判断を加えて、どれぐらい繰り返すかというのはそのものにもよるとは思いますけれども、いずれある時期には最終的なそれぞれの御意見を聞きながら、そして最終的な判断にいくんだろうと、この繰り返しかなというふうに考えております。 例えば、今の過疎の地域ビジョン、これも一定の地域のことについて、地域の皆さんにいろんなお話を聞きながら今取り組んでいるわけでありますけれども、すべてがその中に盛り込まれるということはありませんけれども、そういった声を聞きながら幾らかでも、その限られた条件の中で最大限地域の皆さんが達成できるような、そんな仕組みを我々としてはつくっていくべきだろうと、このように思っております。 それから、日々雇用の関係でありますが、保育園の保母さんの関係、それからもう一点ありましたけれども、日々雇用の規程の関係の2点があったわけでありますけれども、これは議員よく御存じのとおり、この日々雇用の問題を議員が御指摘されている経過は十分に承知しております。 そういった中で、例えば年休であるとか、1つずつこれまでも私どもも国の動き、そういったものを見ながら、できるものについては一つ一つこれまでも対応をしてまいりました。したがって、例えば休暇の問題であるとか健康診断の問題、1つずつ前に進んできたわけでありますけれども、今回のこの期間業務職員の人事院のほうからの話、これを受けて10月実施、そして私どもとしてはまず見ていきたいと思っています、どんなふうになるのかなと。それを見て、私どもの日々雇用の取扱規程にどう反映できるんだろうかと、こんなことも勉強しながら、研究してまいりたいと、このように思っているところでございます。 ◎丸山至財務部長 公契約の関係で御質問がございました。酒田市で条例制定できないのか、課題は何かと、何が限界なのかというお尋ねでございました。 野田市の条例制定に当たりましては、昨年の10月に酒田市にも文書が参りまして、その条例の中身、それから法的な課題をクリアできるのだという趣旨の説明は受けたところでございます。憲法上、それから地方自治法上、それから労働法上のさまざまな課題についてはクリアできるというふうな解説済みでの文書をいただいております。その点につきましては、一定程度理解はしているところでございます。 ただ、課題として具体的なもの、議員からも御指摘がございましたけれども、例えば労働者に支払う賃金の報告書、それをどのように検証していくのか、あるいは立ち入り検査、そういったものをどういうふうな体制でこなしていくのか、さらにはこの条例の中で賃金の基準を定めているわけでございますけれども、その賃金の基準を地域実態に即してどのように定めていくのか、そういったものも課題として考えているところでございます。 さらには、契約解除に至った場合の損害賠償、こういったものをすべて業者に負わせていいものかどうかと、そういったことも、この地域の業界の状況を考えたときには、やはり考慮をしなければならないのではないかなと考えております。 現に、野田市につきましては、公契約条例を定めましたが、1億円以上の工事に限定をした取り扱いをやっております。将来的にはそれ以下にも戻すというふうなことも考えているようではございますけれども、その辺のあたりの考え方もまだ全国的には整理がされていない状況でございますので、そういった課題をどのようにクリアしていくのかというところを、全国市長会を初めとして国の法整備にやはりよるべきだろうというのが、全国的な主流というふうな認識をしているところでございます。 したがいまして、先ほど市長も御答弁申し上げましたけれども、いましばらく全国の自治体の状況、それから国の法整備の流れというものを見守ってまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◎伊藤一幸建設部長 最初に、労務単価の関係で、最近の市内の実態という部分についての御質問がございましたので、最初にお答えいたします。 私どもで工事を発注しまして、請負者が決まります。そうしますと、元請というふうな話というふうになりますが、そこで例えば98%の入札率で入札をされると、市内の違う会社に下請をしますと。そういった場合につきましては下請をする内容、それから金額、そういうものを提出していただいておりますので、延長だとかそういうもので適正な契約かどうかというチェックは一定程度できるものというふうに思っております。現在、下請契約書の提出があった場合は、そういうチェックをしているということでございます。 ただし、その2次下請、3次下請というケースも当然出てまいります。そういったときに、そこで会社のほうにお支払いをしましたが、その会社で例えば社員の方に幾ら賃金としてお支払いしているかというところまでは、私どもとしては踏み込めないというような実態もございます。当然、会社の経営を考えながら給料も決めているでしょうし、ボーナス等についてもなかなか最近は出ないというような声もお聞きしております。そういった観点では、私どもでさらに本当に最低賃金分を払っているかどうかというところまで踏み込めないということは、御理解をいただければというふうに思ってございます。 それからもう一点、八幡の関係ですけれども、これにつきましては、基本的なビジョンそのものにつきましては持ってございます。自然環境を保全しながらスポーツレクリエーション公園としてということで、基本的なものは八幡町時代から引き継いでおるわけでございますので、そのような基本的なものがありますので、あとは具体的にじゃ何をするかということになります。 そういった意味で、広場についてどのようなものがいいのかどうかということを、具体的な部分を地域の皆様と相談していく、当然時代に合うものとすればパークゴルフ場、グラウンドゴルフ場ということになってまいりますので、そういうものがその広場に入るかどうかというような青写真を持ちながら、進めてまいりたいというふうに思っているところでございます。 ◎兵藤芳勝教育部長 繰り返しになりますけれども、今後の統合に当たりましては、御協議をいただく内容、それからその結果の取り扱いについてきちんと御理解をいただくようにしていきたいと思っております。 ◆22番(菅原良明議員) 日々雇用職員から最初にちょっと申し上げたいんですけれども、やはり日々雇用職員制度というのは法の谷間なんだろうと私は思っております。労働条件を改善されたということも承知しておりますので。ただ、それ以上何かやっていくと、法の谷間に置かれた制度であるということだけは、当局のほうはぜひ認識はしておいてもらいたいと思うんです。 それから、公契約条例なんですけれども、いろいろ課題ということもお話しいただいたわけです。それでもなんですね、野田市の場合は。ただ、野田市で制定して、事業者の動きがどうなっているか、この辺もやはり1回詳しく聞いていただければまずありがたいと思うんです。 ただ、私は、国で本当に定めてくれれば一番いいと思うんです、公共工事の話ばかりではありませんから。ただ、やはりそれでもなかなかこれは、自治体がまた同時に立ち上がっていかないとまた進まないのかなという感じもやはりあるんです、建設部長の話を聞くと。やはり実態というのがありますから、地域によって。そこのところを踏まえながら、やはり自治体で進めていかないと、国の後押しにはならないのではないかという感じがありますので、さらに調査研究みたいなものは進めていただきたいと要望しておきたいと思います。 あと、住民参加。 アメリカの社会学者の人が8段という階段で住民参加のことをとらえているというお話をしたんですけれども、やはりできれば、物事によっては一番上の階段にいくように、私は階段から転落したような格好にだけはなってほしくないんです。それだけやはり私は、住民の皆さんだって力があると思いますので、とにかく階段を踏み外さないように、ぜひともこの辺は肝に銘じて事業を進めていただきたいということを要望して、終わりたいと思います。 ○富樫幸宏議長 3問目は意見、要望と受けとめさせていただきます。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ △延会 ○富樫幸宏議長 お諮りいたします。 本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。 (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○富樫幸宏議長 御異議なしと認めます。 よって、本日の会議はこれにて延会することに決しました。 本日はこれにて延会いたします。 なお、次の本会議は9月17日午前10時から再開いたします。 御苦労さまでした。   午後4時54分 延会...